男はつらいよ

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男はつらいよ 柴又より愛をこめて
スタッフ

第36作 (昭和60年12月 公開)
男はつらいよ 柴又より愛をこめて

タコ社長の娘・あけみ(美保純)が夫婦喧嘩の果て、家出してしまう。ワイドショーに出演して「戻ってこい」と訴えるタコ社長。帰宅した寅さんの広い顔のつてで、あけみが下田にいることが判明する。そこまでは良かったが、あけみの傷心を慰めるはずの寅さんは、式根島への連絡船で知り合った島の小学校の同窓生達を迎えた、美しい真知子先生(栗原小巻)に一目惚れ。あけみを放って、同窓会へ参加してしまう・・・
 壷井栄原作、木下惠介監督作品『二十四の瞳』(54年)へのオマージュらしく、島の先生と同窓生たちのエピソードを軸に、第4作『新男はつらいよ』以来二度目のマドンナをつとめる栗原小巻と寅さんの物語が綴られる。式根島から柴又に戻ってから、気が抜けてしまった寅さんの“恋やつれ”ぶりも楽しい。個性派・川谷拓三や、下田の寅さんの仲間の渡世人を演じ、これがシリーズ初出演となった笹野高史など、名傍役たちの演技も光る一篇。

島崎真知子

島崎真知子

首筋の辺りがね。
どこか涼しげなのね。
生活のアカが
ついてないって
いうかしら

マドンナ

島崎真知子

島崎真知子(栗原小巻)

式根島の小学校教師。壷井栄の小説や木下惠介監督の映画で知られる「二十四の瞳」のおなご先生に憧れ、十五年前に島の教師として赴任。生徒たちだけでなく、島の人々にも慕われているが、女性としての自分について思い悩む。そこへ寅さんと出会う・・・

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島崎真知子 第4・36作 栗原小巻

俳優座のトップ女優。彼女のファンをコマキストと呼んだ。渥美清とはTBS「泣いてたまるか」で共演、シリーズ第4作のほか、第36作『柴又より愛をこめて』でもマドンナを演じている。映画『忍ぶ川』(72年)、『サンダカン八番娼館 望郷』(74年)などに出演。

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ゲスト

酒井文人

酒井文人(川谷拓三)

あなたと暮らせたら、僕はどんなに幸せかと、僕はずうっと思っていました・・・

亡妻は真知子の親友。娘を残してなくなった親友のために、真知子は定期的に酒井文人と千秋と会ってきた。文人はいつしか、真知子に惹かれ、再婚するならと思っている。仕事はロシア語辞書の編纂。勤務先はお茶の水。

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酒井文人 第36作 川谷拓三

東映時代、室田日出男らと「ピラニア軍団」を結成、個性派俳優、タレントとして任侠映画からテレビバラエティまで、幅広い活躍をした。1959年にデビューして、数多くの映画に出演。「3000回殺された男」の異名を持つ。映画初主演は1976年『河内のオッサンの唄』。1995年没。

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男はつらいよ 柴又より愛をこめて

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

ほら、いい女がいたとするだろう。
男がその女見て
「あぁ、いい女だなぁ、この女を俺は大事にしてえ」
そう思うだろう
それが愛ってもんじゃないか

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    みんなで待ってたのよ、お兄ちゃん帰ってくるのを・・・
  • 車竜造
    車竜造
    さくら、お前から話してやってくれよ、きちっと順序立ててな、あんまり飲み込みの良い方じゃねえんだから(寅は)
  • 車つね
    車つね
    こんなオヤジみたいな男を生徒と間違えるなんて、先生もね
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    出来の悪い娘を持つと苦労するよ
  • あけみ
    あけみ
    どうして、寅さんにお嫁さん、来ないんだろう
  • 諏訪博
    諏訪博
    へぇ、お前尊敬しているのか?
  • 諏訪満男
    諏訪満男
    伯父さんのやることは、鈍臭くて、常識外れだけど、世間体なんて全然気にしないもんな、人にオベッカ使ったり、お世辞言ったり、伯父さん、絶対そんなことしないもんな
夢

全世界注視のなか、日本人初の宇宙飛行士に「日本人らしい」という理由で選ばれた車寅次郎が発射の時を待っていた。大の乗り物嫌いの寅さんの抵抗むなしく、カウントダウンが始まる…

騒動

騒動

あけみ家出騒動

社長の娘、あけみが買物に出たまま失踪。心配な社長はテレビのモーニングショーに出演、「テレビ伝言板」コーナーで、あけみに「帰ってこい」と呼びかけるが…

あにいもうと

あに
いもうと

家出をしたあけみが、ワイドショーのタコ社長の呼びかけをみて、とらやに電話をしてくる。寅さんに会いたいというあけみの気持ちを知り、さくらは「かわいそうに、あんな頼りないお兄ちゃんに、会いたいだなんて」と複雑な気持ち。

人々

人々

  • 会津若松市の女子高生/松居直美
  • タコ社長が出演する番組のテレビキャスター/森本毅郎
  • 寅さんの仲間・下田の長八/笹野高史
  • 式根島の分校の生徒/アパッチけん、光石研、中島唱子ほか
  • 式根島分校・島崎真知子先生/栗原小巻
  • 式根島民宿 式根館の青年・茂/田中隆三
  • 麒麟堂/人見明
  • 酒井文人/川谷拓三、その娘・千秋/増田未亜

寅さんの
啖呵売

啖呵売

さぁ、ヤケのヤンパチ日焼けのナスビ、色が黒くて食いつきたいが、ねっ、あたしゃ入れ歯で歯が立たないよ、ときた。どう、負けちゃう、一つ400円ね、はい、四谷、赤坂、麹町、チャラチャラ流れるお茶の水、粋なねえちゃん、立ちションベン、さぁ、白く咲いたか百合の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水くさいときた、どう、続いてまけちゃおう!(浜名湖舘山寺港・張り子の虎)

売ネタ

  • 張り子の虎(静岡県浜名湖・館山寺港)

  • 寅さん・同級生たち「七つの子」
  • 寅さん「わらべうた・さよなら三角」
  • ロシア民謡「モスクワ郊外の夕べ」

ロケーション

  • 福島県 会津若松市 国鉄只見線 会津高田駅/寅さんが夢から醒める
  • 福島県 柳津町/寅さんが会津桐下駄を買おうとし、円蔵寺の縁日の準備をする
  • 静岡県 下田市/下田の長八(笹野高史)、寅さんの頼みであけみをみつける
  • 静岡県 下田市 入田浜/寅さんとあけみ「愛について」の会話をする
  • 東京都 式根島/寅さんとあけみ、連絡船で式根島へ。式根館に宿泊
  • 東京都 調布市 調布飛行場/真知子先生を寅さんが見送る
  • 静岡県 浜松市 浜名湖舘山寺港 遊覧船乗り場/寅さんが、分校の生徒と再会
会津

福島県 会津

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福島県 会津

会津 基本情報

福島県を奥羽山脈と阿武隈高地の2つの尾根線を概ねの境界と、西から順に「会津」「中通り」「浜通り」の3つの地域の1つ。会津盆地を中心として、東は奥羽山脈、西は越後山脈、南は下野山地(帝釈山脈、大佐飛山地を含む)、北は飯豊山地に囲まれた山岳地帯である。地方中心地は会津若松市。
『古事記』によれば、古くは相津と書いた。崇神天皇の時代、諸国平定の任務を終えた四道将軍大毘古命と建沼河別命(たけぬなかわわけのみこと)の親子が、この地で合流したことに由来するという。会津美里町の伊佐須美神社縁起にも同様の伝承がある。

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式根島

東京都 式根島

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東京都 式根島

式根島 基本情報

式根島(しきねじま)は、伊豆諸島を構成する島の一つであり、新島の南西に位置する。行政上の所属は東京都新島村。

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第36作
東京都 式根島

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下田

静岡県 下田

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静岡県 下田

下田 基本情報

江戸時代には、江戸・大坂間、あるいは東・西廻海運の風待ち湊として栄え、「伊豆の下田に長居はおよし、縞の財布が空になる」(下田ぶし1番)と唄われた。東海道の三島宿から伊豆半島中央部を南北に縦断する下田街道の終点。僧行基発見とされる蓮台寺温泉などがあり、総称して下田温泉と称している。

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第36作
静岡県 下田

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浜名湖

静岡県 浜名湖

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静岡県 浜名湖

浜名湖 基本情報

静岡県西部に位置しており、南部は海(遠州灘)に通じている。湖の面積としては日本で10番目の大きさである[2]。形は複雑で、細江湖(引佐細江)、猪鼻湖、松見ヶ浦、庄内湖と4つの枝湾(水域)を持ち、これらの面積は湖全体の面積の4割に達する。このため、湖の周囲長は日本では3番目の長さとなる。また、汽水湖としては日本一長い。湖の北側と南側で水深は大きく異なり、北側は深く、南側は比較的浅い。
近くに存在する佐鳴湖とは、1つの川(新川)を通して繋がっている。なお、河川法上は、浜名湖は二級河川都田川水系都田川として河川指定がなされており、浜名湖に注ぐ全ての河川も、水系では都田川水系として扱われる。
湖内南端付近に弁天島があり、湖内北部に面積20アールほどの松に覆われた礫島(つぶてじま)がある。

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静岡県 浜名湖

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あの頃

食べ物

メジナ

真知子先生が寅さんを、式根島を案内しているとき、郵便局員が島の人が釣ったと思われるメジナをながめている。メジナは眼仁奈と表記し、スズキ目・メジナ科に属する。東アジアの温暖な海域に生息しており、釣りファンには“グレ”の名で親しまれている。磯竿はメジナを釣るために作られている。伊豆ではクシロと呼ばれている。

モノ

釣り竿

式根島から帰って来た寅さん、寝ても醒めても真知子先生のことを想っているようで、備後屋(露木幸次)と麒麟堂(人見明)が式根島に釣りに行くと聞いて、とらやの釣り道具を持ち出して、後を追う。「行かせておやりよ」とは、同情したおばちゃんの台詞。しかし、寅さんの持っている釣り竿と魚籠は、海釣りに適してないもの。

ファッション

ルパシカ

酒井文人(川谷拓三)と千秋(増田未亜)と、真知子が食事をするのは、新宿のロシア料理屋。バラライカを演奏する楽団が着ているのは、ルパシカ。もとはウクライナの農民の衣裳で“ルバーハ”と呼ばれていた。文豪トルストイが着ていたこともあり、ロシア文学を愛するインテリたちの間で流行した。

主な出来事

12月1日
森祇晶、広岡の後任として西武監督に就任。
12月27日
パレスチナ・ゲリラによるローマ・ウィーン両空港同時テロ。
12月28日
第2次中曽根第2次改造内閣発足。

データ

封切り日
昭和60年12月28日
観客動員数
1,407,000人
入場料
1,500円
上映時間
105分
受賞歴
第10回日本アカデミー賞・優秀監督賞/山田洋次(1987年)
同・優秀主演賞/渥美清(同)
同・優秀助演女優賞/美保純(同)
同・優秀音楽賞/山本直純(同)
同・優秀美術賞/出川三男(同)
同・優秀録音賞/鈴木功・松本隆司(同)
併映作品
『祝辞』
監督:栗山富夫 出演:財津一郎、林美智子、工藤夕貴、山口良一、植木等
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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第36作 男はつらいよ 柴又より愛をこめて