男はつらいよ

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男はつらいよ 寅次郎物語
スタッフ

第39作 (昭和62年12月 公開)
男はつらいよ 寅次郎物語

福島から寅さんを訪ねてきた秀吉少年。父親である寅さんのテキヤ仲間の政吉が亡くなり、位牌を持って施設から逃げて来た秀吉には、産みの母がいるという。寅さんは秀吉を連れて、大阪から和歌山へと、母を訪ねる旅を続ける。ある夜、奈良県吉野の旅館で、秀吉は旅の疲れから高熱を出す。隣の部屋の客・隆子(秋吉久美子)は協力を申し出て、寅さんと共に夜を徹しての看病をする。いつしか「とうさん、かあさん」と呼び合うようになった寅さんと隆子だったが…
 寅さんの生い立ちを思わせる秀吉少年が、小さなリュックに亡父の位牌を忍ばせている姿に、おばちゃんは涙を流す。行きずりの旅の宿で、寅さんと秀吉に親切にしてくれる化粧品のセールスウーマン・隆子に秋吉久美子。生死の境をさまよう子供を看病した二人は、いつしか本当の夫婦のような気持ちが芽生えてくる。朴訥としながら存在感ある秀吉少年の、瞼の母に五月みどり、病床の彼女を手厚く看護している真珠店の主人に河内桃子。そして、二代目おいちゃんだった松村達雄扮する老医者のユニークなキャラクター。彼らの話芸が堪能できる、心温まる名篇。

高井隆子

高井隆子

この子の命が
助かったら私、
酒でも煙草でも男でも
絶ちますから・・・

マドンナ

高井隆子

高井隆子(秋吉久美子)

化粧品の美容部員として、ルートセールスで地方を回っている。男性と逢い引きの予定だったが、キャンセルされ、自棄になっているところ、隣室の秀吉少年の急病を知り、寅さんをサポート。懸命の看病の結果、隆子自身も救われるような気持ちになる。寅さんとは「とうさん、かあさん」と呼ぶ仲に。

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高井隆子 第39作 秋吉久美子

1972年、松竹映画『旅の重さ』で映画デビューを果たし、『16歳の戦争』(73年)で初主演を果たす。藤田敏八監督の日活映画『赤ちょうちん』『妹』『バージン・ブルース』(74年)に連続主演を果たし、高い評価を受ける。ドラマ、映画、舞台、バラエティと幅広く活躍。

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ゲスト

ふで

ふで(五月みどり)

寅さん・・・

夫でテキヤの般若の政から、息子・秀吉を置いたまま、行方知れずとなる。その政が亡くなったため、天涯孤独となった秀吉がとらやに現れ、寅さんが彼女を探すことになる。

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ふで 第39作 五月みどり

1958年「お座敷ロック」でデビュー、61年「おひまなら来てよね」が大ヒット。テレビ、ラジオ、映画で活躍。『丑三つの村』(83年)、『釣りバカ日誌3』(93年)などの映画に出演。二科展入選するなど、アーティストとしても活躍。

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君子

君子(河内桃子)

息子さんに会いたい、会いたいと言い続けとるんですわ

賢島の老舗・松井真珠店を切り盛りする女主人。人情味あふれ、病気のふでを手厚く看護している。

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君子 第39作 河内桃子

1953年、第6期ニューフェースとして東宝入社。同期には宝田明がいる54年『坊ちゃん社員』で映画デビューを果たし、『ゴジラ』(54年)、『地球防衛軍』(58年)などに出演。TBS「ありがとう」(72年)、「渡る世間は鬼ばかり」(90年)などのテレビドラマで、お茶の間に親しまれた。98年没。

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男はつらいよ 寅次郎物語

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

満男「伯父さん、人間てさ、人間は
何のために生きてんのかな?」
寅「難しい事聞くな・・・何というかな
あぁ、生まれて来てよかったな、って
思う事が何べんかあるんじゃない。
そのために生きてんじゃねえか」
満男「ふーん」
寅「そのうち、お前にもそう言う時が来るよ な
まぁ、がんばれ」

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    あんただって知ってるんでしょう? お父さんが大学に行けなくて、どんな悲しい思いしたか。だから、あんたには、思う存分勉強させたい。アルバイトなんかしないで、大学に行かせたい。そのつもりで、あんたが生まれた時からずうっと貯金もしてきたのよ
  • 車竜造
    車竜造
    似てりゃ親子か? じゃ、お前はタコそっくりだから、このタコお前の倅か?
  • 車つね
    車つね
    (秀吉は)名前負けってこともあるからねぇ、真面目につけたのかねぇ
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    見てみろよ、目の辺りとか、アゴの張り具合とか、そうか・・・とうとうとらやさんにも、跡継ぎが出来たか、良かったじゃねぇか
  • あけみ
    あけみ
    ここで働いていれば、亭主は不倫の心配しないで済むし、父ちゃんのタコにも顔見せられるし・・・
  • 諏訪博
    諏訪博
    秀吉君に比べれば、うちの満男なんか幸せなんだけどなぁ。いや、何が幸せか、それが問題か
  • 諏訪満男
    諏訪満男
    寅さんに会って、がっかりしたんだろう。でも、見かけほどひどくはないんだぞ。俺買ってるんだ、わりと
夢

昔日の柴又。父に叱られ、庭の木に縛り付けられる寅次郎少年。「人生の並木道」が流れるなか、家出する寅さんを追う、まだあどけないさくら。それが寅さんの最初の家出だった。

騒動

騒動

とうさんかあさん騒動

秀吉が高熱を発したと、寅さんから電話を受け、気が気ではなかったさくらが、旅館に電話をすると、寅さんが「とうさん」と呼ばれ、「かあさん」という女性が側にいることが判明するが…

あにいもうと

あに
いもうと

秀吉が高熱を出したと、寅さんから電話がかかり、さくらは「とにかく医者に見せるように」と強い語調で指示する。子育てをしたさくらは、子供にとって高熱は危険ということを熟知している。一方の寅さんは…

人々

人々

  • 佐藤秀吉/伊藤祐一郎(寅さんを訪ねて、郡山からやってくる)
  • 大阪 天王寺駅前派出所 巡査/イッセー尾形
  • 美容部員 高井隆子/秋吉久美子
  • 翠山荘の主人・長吉/笹野高史、女中/谷よしの
  • 老医/松村達雄
  • 伊勢志摩観光船・船長/すまけい
  • 松井真珠店主人・君子/河内桃子

寅さんの
啖呵売

啖呵売

さぁ、ヤケのヤンパチ日焼けのナスビ、色が黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯がたたない、どう、400、はい400円、どう、ええ、四谷、赤坂、麹町、チャラチャラ流れるお茶の水、粋な姐ちゃん立ちションベン、さぁ、白く咲いたか百合の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水くさい、ときた。(三重県度会郡二見興玉神社・正月飾り、破魔矢、張り子の人形)

売ネタ

  • ぬいぐるみ(とある境内)
  • 正月飾り、破魔矢、張り子の人形(三重県度会郡・二見興玉神社)

  • 船長「男と女のラブゲーム」

ロケーション

  • どこかの境内/寅さんがぬいぐるみを啖呵売
  • 大阪 天王寺駅前派出所/秀吉を連れた寅さん、不審人物と間違われる
  • 大阪天寺界隈旅館。秀吉と寅さんが宿泊
  • 和歌山県和歌山市・和歌山駅。寅さんと秀吉、ふでを探しにやってくる
  • 和歌山県 和歌山市 和歌浦/温泉旅館を訪ね歩く
  • 奈良県 吉野町 旅館 八木屋翠山荘/寅さん、隆子と出会う
  • 奈良県 吉野町/金峯山寺仁王門、萬松堂、蔵王堂、寅さんと隆子、身の上を話す
  • 近鉄吉野線 大和上市駅/隆子が寅さんたちを見送る
  • 三重県 志摩市 賢島 松井真珠店/ふでを訪ねる
  • 伊勢市 二見町/正月、寅さんがポンシュウたちと啖呵売
伊勢・志摩(二見浦)

三重県 伊勢・志摩(二見浦)

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三重県 伊勢・志摩(二見浦)

伊勢・志摩(二見浦) 基本情報

伊勢志摩(いせしま)は、三重県南東部にある地域である。南勢とほぼ同じ地域を指すが、伊勢志摩の方が観光地の名称としてよりよく用いられるほか、南勢に含まれる大紀町が伊勢志摩からは除外される傾向にある。「伊勢・志摩」のように伊勢と志摩の間に・(中黒)が入ることもある。また、近年は伊勢と志摩の間にある鳥羽も大きく扱い「伊勢・鳥羽・志摩」と紹介されることもある。大紀町を除いた伊勢志摩地域は人口234,230人、面積912.41km²、人口密度257人/km²。(2015年2月1日、推計人口)である。
るるぶなどの観光ガイドブックでは尾鷲市以南を除く三重県全域の観光地名として使用されている。
また三重県の気象予報細分区域の名称としては三重県南部のうち、伊勢市・鳥羽市・志摩市・度会郡(大紀町を除く)を「伊勢志摩」と称する。

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第39作
三重県 伊勢・志摩(二見浦)

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吉野

奈良県 吉野

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奈良県 吉野

吉野 基本情報

紀伊半島の中部に位置し、奈良盆地の南に位置する。高地・盆地・山岳地帯が並存する。面積は神奈川県や佐賀県に匹敵する。口吉野は吉野川流域、奥吉野は十津川・北山川流域である。吉野川は紀ノ川となって紀伊水道へと流れ下り、十津川と北山川は熊野川となって熊野灘へ注いでいる。

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第39作
奈良県 吉野

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和歌浦

和歌山県 和歌浦

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和歌山県 和歌浦

和歌浦 基本情報

和歌浦(わかのうら)は和歌山県北部、和歌山市の南西部に位置する景勝地の総称。国指定の名勝。
住所表記での「和歌浦」は「わかうら」と読むために、地元住民は一帯を指して「わかうら」と呼ぶことが多い。狭義では玉津島と片男波を結ぶ砂嘴と周辺一帯を指すのに対し、広義ではそれらに加え、新和歌浦、雑賀山を隔てた漁業集落の田野、雑賀崎一帯を指す。名称は和歌の浦とも表記する。

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和歌山県 和歌浦

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あの頃

食べ物

せんべい

秀吉が抱えている大きな煎餅の袋。おそらく寅さんが買い求めたであろう、この煎餅は「九助」と呼ばれる、壊れた煎餅がタップリつまった、お買い得品と思われる。煎餅は、うるち米などの米粉を使って焼き上げた焼き菓子で、「煎餅」という名前が、歴史上初めて出て来たのは、正倉院所蔵の737年の文献だという。その頃の煎餅は、小麦粉を油で固めたいりもちだった。現在の煎餅のかたちになったのは、日光街道第二の宿場、草加の農家で親しまれた草加せんべいの原型から。

モノ

真珠

寅さんが秀吉の母・ふでの消息を尋ねて、たどり着いたのは、三重県志摩市、伊勢志摩国立公園の賢島の松井真珠店。伊勢志摩といえば真珠の産地として世界的に名高い。日本において真珠の歴史は古く、古事記、日本書紀、そして万葉集にその記述がある。ことに万葉集には、真珠を詠みこんだものが56首ある。その時代から、三重県英虞湾は真珠の産地として知られていた。

ファッション

野球帽

秀吉がかぶっているのは“大洋ホエールズ”(現・横浜ベイスターズ)の野球帽。昭和30年代以降、小学生の男の子はお気に入りのチームの野球帽をかぶっていた。満男も少年時代、ヤクルト・スワローズの帽子をかぶっており、大リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツの帽子をかぶっていたこともある。

主な出来事

12月7日
ソ連・ゴルバチョフ書記長訪米。
12月17日
千葉県東方沖地震(M6.6)、死者2名。
12月31日
東京円相場1ドル121円台を記録

データ

封切り日
昭和62年12月26日
観客動員数
1,434,000人
入場料
1,500円
上映時間
101分
受賞歴
第12回日本アカデミー賞・優秀監督賞/山田洋次(1989年)
同・優秀脚本賞/山田洋次、朝間義隆(同)
同・優秀録音賞/松本隆司、鈴木功(同)
同・優秀助演女優賞/秋吉久美子(同)
第1回日刊スポーツ映画大賞・主演男優賞/渥美清(1988年)
併映作品
『女咲かせます』
監督:森崎東 出演:松坂慶子、役所広司、平田満、川谷拓三、田中邦衛
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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第39作 男はつらいよ 寅次郎物語