男はつらいよ

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男はつらいよ 寅次郎心の旅路
スタッフ

第41作 (平成元年8月 公開)
男はつらいよ 寅次郎心の旅路

東北を走るローカル線、栗原電鉄に寅さんが乗っていると、疲れ果てたサラリーマン・坂口兵馬(柄本明)が線路に寝転んで自殺未遂。その夜、旅館で兵馬の胸の内を聞き優しく励ましているうちに、兵馬にウィーン旅行に誘われてしまう。断るつもりが、結局オーストリアに同行してしまった寅さんは、絵画や文化に一切興味を示さない。ところが、現地でガイドをしている久美子(竹下景子)と出会い、さらに金町出身のマダム(淡路恵子)と知り合い、すっかり日本にいる気分。やがて久美子の悩みを聞くうち、寅さんは…
 オーストリア ウィーン市の積極的な招聘を受け、ついに寅さんがヨーロッパへ。寅さんが海外に出たのはシリーズ初。ところが、ドナウ川を江戸川に見立て、神父を御前様と呼ぶ、マイペースぶりには国境はない。マドンナにはこれが三作目となる竹下景子。ヨーロッパに来たものの、そのまま居着いて帰国することもできなくなったヒロインを好演。久美子の後見人的な存在のマダムに淡路恵子。風光明媚なウィーンの初夏を背景に、寅さんの楽しい日々が描かれる。

江上久美子

江上久美子

寅さんに
会った日の晩、
故郷の夢を
見ちゃったの

マドンナ

江上久美子

江上久美子(竹下景子)

岐阜出身、東京の商社に勤めていたが、何もかも嫌になってヨーロッパへ。現地で観光ガイドをしながら生活をしているが、寅さんに会って故郷が懐かしくなり・・・

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江上久美子 第32・38・41作 竹下景子

高校在学中にNHK「中学生群像(中学生日記の前身)」でデビューを果たし、大学進学とともに、女優活動を開始。テレビドラマで活躍後、黒木和雄監督『祭りの準備』(75年)に出演、その後も『犬笛』(78年)などに出演。シリーズでは、第32作『口笛を吹く寅次郎』(83年)の朋子、第38作『知床慕情』(87年)のりん子、第41作『寅次郎心の旅路』(89年)の久美子と、三たびマドンナ役を演じている。

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ゲスト

マダム

マダム(淡路恵子)

子供時分会ったことがあるんじゃない? 帝釈天の境内で

東京都葛飾区金町出身。オーストリア人と結婚、ウィーンに住んで数十年。亡夫の遺産で暮らしており、久美子の面倒をみており、気っぷの良さに、寅さんは意気投合。

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マダム 第38・41作 淡路恵子

松竹歌劇団の養成所・松竹舞踊学校生の1949年、黒澤明監督『野良犬』に抜擢され、デビュー作で三船敏郎と共演。1950年、SKDに入団し、ステージで活躍、その後、松竹映画に出演。1955年にはハリウッド映画『トコリの橋』に出演。その後、東宝に移籍し、「社長シリーズ」「駅前シリーズ」などに色を添える。1967年に引退、芸能界を遠ざかっていたが、第38作『知床慕情』(87年)で復帰、山田洋次監督の『ダウンタウン・ヒーローズ』(88年)、第41作『寅次郎心の旅路』(89年)に出演。

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坂口兵馬

坂口兵馬(柄本明)

兵馬「僕、病気なんです」
寅「う、うつるの?」
兵馬「いえ、時々、死にたくなりまして」

東京の一流会社に勤めるエリートサラリーマン。ストレスがたまり発作的に自殺しようとしたところ、寅さんと出会い、慕うことに。「どこか行きたいとこないか?」と寅さんにいわれ、寅さんを連れてウィ−ンへ来るが・・・

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坂口兵馬 第41作 柄本明

1976年、自由劇場時代の仲間、ベンガル、綾田俊樹らと劇団東京乾電池を結成。舞台、映画、テレビで活躍。シリーズ第29作『寅次郎あじさいの恋』(82年)では、加納作次郎の弟子・近藤、第41作『寅次郎心の旅路』(89年)に出演。98年、今村昌平監督『カンゾー先生』で、第23回報知映画賞最優秀主演男優賞や日本アカデミー賞最優秀主演男優賞などを受賞。

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男はつらいよ 寅次郎心の旅路

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

どこの川の流れも同じだなぁ
流れ流れて、どこかの海に注ぐんだろう?

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    伯父さんは否定したんじゃなくて、否定されたのよ、世の中に
  • 車竜造
    車竜造
    (社長に)消費税の文句なら、政府へ言ってくれよ。ウチでこぼされたんじゃ、かなわねぇよ
  • 車つね
    車つね
    そういえば、預かっていたわよ、そのパスなんとかっていうの・・・
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    ヨーロッパか、どうせ、俺は死ぬまで行かれやしないんだ。カレンダーでも見て、我慢しよう
  • 諏訪博
    諏訪博
    あいつだって、過酷な競争社会を、避けて通るわけに行かないんだからなぁ
  • 諏訪満男
    諏訪満男
    うらやましいなぁ・・・伯父さんだよ。だって、伯父さんはそういう生き方を否定したんだろう?
夢

本作品にはなし

騒動

騒動

寅さん海外旅行騒動

坂口兵馬に慕われ、オーストリアのウィーンへ同行することになった寅さん。くるまやの人々は、寅さんが海外に行くことに懐疑的、寅さんも断ろうとするのだが…

あにいもうと

あに
いもうと

旅先で風邪を引いて寅さんが寝ているときき、さくらは手紙を送る。その手紙には、満男の大学受験への心配などがかかれており、兄を想う妹の精一杯の気持ちがしるされていた。そして、一万円札も…

人々

人々

  • 心身症のサラリーマン・坂口兵馬/柄本明
  • 宮城県栗原電鉄の車掌/笹野高史
  • 旅行会社社員・馬場/イッセー尾形
  • 現地観光ガイド・江上久美子/竹下景子
  • オーストリアで寅さんの世話をする、マダム/淡路恵子
  • ヘルマン/マーチン・ロシュバーガー(久美子の恋人)

寅さんの
啖呵売

啖呵売

寅「どうです、オーストラリアはウィーン製のバッグ」 ポンシュウ「はい、ヨーロッパだよ」 学生A「おっちゃん、おっちゃん、ウィーンはオーストラリアの首都じゃろが」 学生B「オーストラリアはカンガルーの国じゃ」 寅「そういうこともありました、昔は。若い男が理屈を言うと女にモテない。さぁ、もうヤケだ」 ポンシュウ「はい、ヨーロッパだよ」 寅「ヤケのヤンパチ、日焼けのナスビ、色が黒くて食いつきたいが。あたしゃ、入れ歯で歯が立たないよ、ときた。」 (石川県羽咋市・気多大社夏祭り・オーストラリアウィーン製バック)

売ネタ

  • オーストラリアウィーン製バック(ポンシュウと、石川県羽咋市・気多大社夏祭り)

  • 車掌「浪花しぐれ・桂春団冶」
  • 寅さん「大利根月夜」

ロケーション

  • 宮城県 松島町/観光船の寅さんとポンシュウ(タイトルバック)
  • 宮城県 松島町 瑞巌寺参道/寅さんとポンシュウ、バイをする
  • 宮城県 登米市〜栗原市間の栗原電鉄/坂口兵馬が自殺未遂
  • 宮城県 栗原市 花園旅館/寅さんが兵馬と同宿
  • オランダ スキポール空港/寅さんが迷子になり、柴又へ電話する
  • オーストリア ウィーン/シェーンブルーン宮殿、美術史博物館、聖シュラファン寺院、ホーフブルグ宮殿
  • オーストリア ドナウ沿い/デュルンシュタイン、バイセンキュルヘン
  • オランダ アムステルダム/久美子がガイドをしている
  • 静岡県 沼津市/気多神社秋祭り。ポンシュウと、オーストラリアウィーン製バックの啖呵売
松島

宮城県 松島

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宮城県 松島

松島 基本情報

松島(まつしま)は、宮城県の松島湾内外にある大小260余りの諸島のこと。または、それら諸島と湾周囲を囲む松島丘陵も含めた修景地区のことである。日本三景の1つに数えられている。

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第41作
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ウィーン(オーストリア)

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ウィーン(オーストリア)

ウィーン(オーストリア) 基本情報

ウィーン(標準独: Wien(ヴィーン)、バイエルン・オーストリア語: Wean(ヴェアン)、仏: Vienne(ヴィエンヌ)、英: Vienna(ヴィエナ))は、オーストリアの首都。人口は176万3912人(2013年10月1日)。都市単独で一つの連邦州であり、ヨーロッパ有数の世界都市である。位置は、北緯48度12分5秒、東経16度22分38秒。クラシック音楽が盛んで「音楽の都」・「楽都」とも呼ばれる。第一次世界大戦まではオーストリア=ハンガリー帝国の首都としてドイツを除く中東欧の大部分に君臨し、さらに19世紀後半まではドイツ連邦や神聖ローマ帝国を通じて形式上はドイツ民族全体の帝都でもあった。

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栗原市

宮城県 栗原市

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宮城県 栗原市

栗原市 基本情報

宮城県の北部、西側にあり、北部は岩手県、北西部は秋田県と境界を接する。最高地点は奥羽山脈に属する市域北西端に位置する標高1,627.4mの栗駒山である。市域は、奥羽山脈から流れ下る迫川・二迫川・三迫川および、旧迫川の支流の流域におさまる。北西部は山地。中部・南東部では河川沿いの低地と丘陵線が東西に伸びて入り混じる。低地部分のほとんどは水田として利用されている。

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あの頃

食べ物

ウィンナシュニッツエル

ウィンナ・コーヒー、ザッハトルテ、と共にウィーン名物として、世界的に親しまれているウィンナシュニッツエル。ビーフやポークのカツレツに、レモンの絞り汁をかけて食べる。ウィーン風カツと呼ばれるが、油で揚げるのではなく、ラードで焼くのがレシピ。もとは、イタリアに遠征したオーストリア軍がミラノ風カツレツを持ち込んだもの。

モノ

パスポート

寅さんにおよそ似つかわしくないパスポート。第4作『新男はつらいよ』(70年)で、競馬で儲けてハワイ旅行に行こうと取得し、さらに一昨年の夏、競輪で万車券をとって、またまたハワイに行くべくと取得、いずれも実現を見なかった。パスポートは、政府が交付し、国外に渡航する人の国籍、身分を証明する旅券。

ファッション

雪駄

寅さんは、ウィーンに行ってもいつもの、背広にダボシャツ、足元は雪駄というスタイルを変えていない。雪駄は、防水用に裏面皮を張り、鼻緒の裏に留め金がついた草履の一種。千利休が水を打った路地を歩く為に考案したと言う説もある。風流な茶人が履くおしゃれなものが、江戸町奉行の同心が履くなど、次第に和装の時に履くものとなった。

主な出来事

7月16日
ヘルベルト・フォン・カラヤン死去。
7月19日
ユナイテッド航空232便不時着事故。
8月10日
第1次海部内閣発足。
8月19日
ハンガリーで汎ヨーロッパ・ピクニックが開催、オーストリアへの亡命者が出る。

データ

封切り日
平成元年8月5日
観客動員数
1,852,000人
入場料
1,500円
上映時間
109分
併映作品
『夢見通りの人々』
監督:森崎東 出演:小倉久寛、南果歩、大地康雄、西川弘志、笑福亭仁鶴、すまけい、原田芳雄
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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