男はつらいよ

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男はつらいよ 寅次郎純情詩集
スタッフ

第18作 (昭和51年12月 公開)
男はつらいよ 寅次郎純情詩集

長野県上田市の別所温泉で、馴染みの坂東鶴八郎一座に大盤振る舞いをして、警察ホテルのご厄介となった寅さん。あきれ顔のさくらの迎えに、猛反省をしてまともな人間になろうと決意したのも束の間、帰宅してすぐに、美しい柳生綾(京マチ子)に逢ってからは、おなじみのパターンとなる。不幸な半生を送って来た綾は、不治の病で余命幾ばくもない。そんな綾を寅さんは懸命に励ます。周囲の心配をよそに、さくらだけは寅さんの味方をするが・・・
 旅芝居「不如帰」の名台詞「人間は何故死ぬのでしょう?」に感じ入り、パトロンを気取る寅さんの前半の描写。満男の産休教師・柳生雅子(檀ふみ)の母・綾と寅さんが心を通わす日々の美しさ。人間にとって、生る希望とは何か? 寅さんとさくらの兄妹愛が、ヒロインのはかない人生に明るい灯をともす。日本映画を代表する名女優・京マチ子が、薄幸のマドンナ綾を好演。ラスト、柴又駅でのさくらと寅さんの会話が深い印象を残す。

柳生綾

柳生綾

人間は、
なぜ死ぬんでしょうね

マドンナ

柳生綾

柳生綾(京マチ子)

柴又で古くから隆盛をほこった柳生家の娘。破産寸前の実家を助けるために、戦争成金に嫁ぎ、その後離婚。病気がちで入退院を繰り返して来た。生粋のお嬢さん育ちで、人生の最後のひととき、寅さんと出会い、幸福な日々を過ごす。

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柳生綾 第18作 京マチ子

OSK(大阪松竹歌劇団)の娘役として活躍、1949年に大映に入社。黒澤明のヴェネチア国際映画祭グランプリ作品『羅生門』(50年)、衣笠貞之助のカンヌ国際映画祭グランプリ作品『地獄門』(53年)などに出演、海外にもその名をとどろかす。ハリウッド映画『八月十五日の茶屋』(57年)では、第14回ゴールデングローブ主演女優賞にノミネート。

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ゲスト

柳生雅子

柳生雅子(檀ふみ)

はい、お嬢さまのお嬢さまなんです

満男の小学校の産休教師。柳生綾の娘で、母一人娘一人で暮らしている。その後、新潟県六日町の小学校、清水分校に転任。

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柳生雅子 第18作 檀ふみ

父は作家の檀一雄、兄はエッセイストの檀太郎。本人もエッセイストとして数々の著作を出版している。『昭和残侠伝 破れ傘』(72年)で映画デビューを果し、『ふれあい』(75年)、『青春の蹉跌』(74年)などに出演。『わが愛の譜・滝廉太郎物語』(94年)で第17回日本アカデミー賞助演女優賞に輝いた。第42作『ぼくの伯父さん』では、泉(後藤久美子)の伯母役で出演。

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婆や

婆や(浦辺粂子)

お嬢様、恋人が来ましたよ

柳生家に古くから仕えている婆や。敬虔なクリスチャンで、ロザリオを首からかけている。人をおだてるのがうまく、チャッカリした面もある。柳生家を辞めた後、孫(赤塚真人)と一緒にとらやを訪ねる。

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婆や 第18作 浦辺粂子

少女時代から役者を志望し、奇術団一座に参加。その後、浪花少女歌劇団などに入り、その後数々の劇団を渡り歩き、日活京都撮影所で浦辺粂子の芸名で映画出演。無声時代から数多くの映画で活躍し、戦後も成瀬巳喜男、小津安二郎、黒澤明ら巨匠の作品に欠かせないバイプレイヤーとなる。大映専属時代から、京マチ子と共演。

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今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

父親はたかだか職工止まりですからねえ
せめて倅だけでも一流大学に入れてやりたいと
まあ、これは伯父としての心づもりなんですけれども

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    お兄ちゃん、バカねえ、お腹空いてるんでしょう?
  • 車竜造
    車竜造
    いいか博さん、ウチはね商売やってるんだよ、無銭飲食ってのは一番恥ずかしい犯罪だ、泥棒のほうがよっぽどマシだ
  • 車つね
    車つね
    さくらちゃん、たいへんだよ。寅ちゃんがね、無銭飲食で捕まっちゃったんだよ
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    そうそう、この難局をのりこえるために、みんなで一致団結しなくちゃ
  • 諏訪博
    諏訪博
    僕にも言わせてくれよ、たまには・・・そらあ、僕は職工です。大学にもいけませんでした。そんな僕が、満男にどれほど夢を託しているか、そんなこと、子供も持ったことのない兄さんに、分かってたまるか
夢

ここは北アフリカの港町。兄の消息を、“アラビアのトランス”に訊ねる、美しき日本女性さくら。実はトランスこそ、寅次郎だったのだ…

騒動

騒動

家庭訪問騒動

満男の担任の産休教師・柳生雅子(檀ふみ)が、とらやを訪問。満男に自分の夢を託している博は真剣なのだが、寅さんが美人の雅子に夢中になって、割入ってしまう。

あにいもうと

あに
いもうと

綾の命が永くない事を知ったさくらは、綾の寅さんへの想いを知り、寅さんへ、世間の噂を気にすることはない、と話す。

人々

人々

  • 柳生雅子/檀ふみ(柴又第二小学校 産休教師)
  • 柳生綾/京マチ子(雅子の母)
  • 柳生家のばあや/浦辺粂子
  • 坂東鶴八郎一座、座長/吉田義夫
  • 一座の花形・大空小百合/岡本茉莉(座長の娘)
  • 坂東鶴八郎一座 座員/谷村昌彦・大杉侃二郎
  • 長野県上田市 別所警察 渡辺/梅津栄
  • 根津神社の警官/永六輔
  • ばあやの孫/赤塚真人

寅さんの
啖呵売

啖呵売

ご通行中のおばあちゃんにお母ちゃんに、お父ちゃん、どう、お風呂の道具だ、ね、まず入浴が健康の始まりというくらいだから、ね、おかあちゃん、まず買ってください、どう、これひとつあれ一つ何ていうんじゃない、ワンセットまとめて買うって人がいたら、安くしちゃいます、どう。まず物の始まりが一ならば大和の国、島の始まりは淡路島とくらぁ(長野県上田市・塩田平の神社縁日・洗面器、プラスチック製品)

売ネタ

  • 洗面器、プラスチック製品(長野県上田市・塩田平の神社 縁日)
  • クジラ尺(東京都文京区・根津神社)

  • 寅さん「むしのこえ」
  • 柴又第二小学校の生徒「故郷の人々」
  • 出演者一同「讃美歌320番 主よ身許に近づかん」

ロケーション

  • 長野県 上田市 上田電鉄別所線鉄道が近く/床屋。寅さんが顔を当たられている
  • 長野県 上田市 塩田平 前山寺/寅さんがあんぱんを食べる
  • 長野県 上田市 塩田平/神社の縁日、寅さんが啖呵売
  • 長野県 上田市 塩田平 上田電鉄別所線/寅さんが赤ん坊をあやす
  • 長野県 上田市 別所温泉/寅さんが坂東鶴八郎一座と再会
  • 長野県 上田市 別所温泉 北向観世音前/坂東鶴八郎一座公演
  • 長野県 上田市 別所温泉 旅館いづみ屋/寅さんが一座に宴会を催す
  • 長野県 上田市 別所温泉/別所警察へ、さくらが寅さんを迎えにいく
  • 東京都 文京区 根津 根津神社/寅さんがクジラ尺を啖呵売
  • 新潟県 六日町 清水分校/寅さん、雅子と再会
上田

長野県 上田

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長野県 上田

上田 基本情報

上田市(うえだし)は、長野県東部(東信地方)にある市。東信地方および上小地域(じょうしょうちいき)の中心都市で、県内では長野市、松本市に次ぐ規模の都市である。千曲川右岸の旧市街は、戦国時代に真田氏が築いた上田城を中心とする城下町。千曲川左岸の塩田は鎌倉時代の執権北条氏の一族塩田北条氏の所領で、安楽寺、北向観音などの多くの文化遺産が残されており「信州の鎌倉」の異称で呼ばれる。
都市圏は佐久地域にまでおよび、都市圏人口は定義次第では37万人になる。上田市街地から北に向かうと真田氏発祥の地とされる真田郷(旧・真田町)に達する。

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第18作
長野県 上田

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別所温泉

長野県 別所温泉

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長野県 別所温泉

別所温泉 基本情報

別所温泉(べっしょおんせん)は、長野県上田市にある温泉。標高570mの高地にある信州最古の温泉で、日本武尊が7か所に温泉を開き「七苦離の温泉」と名付けたという伝説から「七久里の湯」とも呼ばれる。

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第18作
長野県 別所温泉

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六日町

新潟県 六日町

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新潟県 六日町

六日町 基本情報

六日町(むいかまち)は、新潟県にある三国海道と清水街道の分岐点で、「上田船道」と呼ばれる水運の終点も兼ねた旧宿場町である。
また、同地区を含む自治体として南魚沼郡に存在した町の名称であった。
2004年11月1日に同じ南魚沼郡の大和町と合併して南魚沼市になった。
六日町は他の市町村とは異なり、市町村名を抜いて表記(例:大和町→大和、新潟市→新潟)して六日と表記することはなく、六日町が使われていた。
なお、佐賀県杵島郡大町町(おおまちちょう)と長崎県北松浦郡鹿町町(しかまちちょう)は、村から町になった際、六日町にならわず、村名の最後の文字の「町」をはずさなかった。

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第18作
新潟県 六日町

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近隣のロケ地
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あの頃

食べ物

芋の煮っころがし

綾がとらやで食べた「芋の煮っころがし」は、おばちゃんの得意料理。寅さんの好物の一つでもある。一般的なレシピは、ジャガイモを乱切りし、ごま油で透き通るまでいためる。鍋にジャガイモを入れて、ひたひたになるまで水をいれる。ジャガイモ一つに対し、砂糖大さじ一杯入れて、水気がなくなるまで煮る。煮上がったところで、醤油を廻し入れて、鍋を振って味がなじむように転がす。

モノ

クジラ尺

寅さんが根津神社で啖呵売をする鯨尺。かつて、着物の仕立てに使われた計算法で、この映画が作られた頃に、曲尺、鯨尺の販売が計量法により禁止され、社会問題となった。現在では尺貫法もみとめられ、鯨尺も販売されている。警官役で出演している永六輔氏は、この時代、日本古来の計算法を守るために、さまざまなデモンストレーションをしていた。

ファッション

体育着

柴又小学校一年生になって、はや半年。満男は元気に体育の授業を楽しんでいる。小学校の体育の時間に着る体育着は、体操着と呼ばれ、普段着より体を自由に動かせることを重視して作られた。1960年代前半まで、男子は白綿のランニングに、白のブロード地の短パン。女史は白綿のブロード地の開襟シャツに、紺サージのブルマー。1960年代後半になると、男子は白メリヤス地のトレーニングシャツに、白サージの短パン。女子は紺サージのショートパンツが一般的となる。

主な出来事

10月31日
日本ビクター、家庭用VHSビデオテープレコーダ1号機、HR-3300を発売。
11月10日
昭和天皇在位50年式典
12月5日
第34回衆議院議員総選挙投票。
12月24日
福田赳夫内閣発足

データ

封切り日
昭和51年12月25日
観客動員数
1,726,000人
入場料
1,300円
上映時間
103分
受賞歴
併映作品
『おとうと』
監督:山根成之 出演:郷ひろみ、浅芽陽子、木村功、岩崎加根子
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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第18作 男はつらいよ 寅次郎純情詩集