男はつらいよ

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男はつらいよ 花も嵐も寅次郎
スタッフ

第30作 (昭和57年12月 公開)
男はつらいよ 花も嵐も寅次郎

大分県湯平温泉の馴染みの宿。寅さんは、ここで母が女中をしていたという三郎(沢田研二)のために、彼女の法事をしてあげようと一肌脱ぐ。たまたま同宿だったデパートガール・螢子(田中裕子)たちも焼香し、翌日、寅さん、三郎、螢子たちは皆でドライブを楽しむ。二枚目だけどシャイな三郎は螢子に一目惚れして、寅さんはまたもや恋の指南役を買って出るが…
 トップスター沢田研二と実力派女優の田中裕子を迎えたシリーズ第30本記念作。ジュリー演じる三郎は、二枚目だが女性には縁のないチンパンジーの飼育係。三郎のメッセンジャーとなった寅さんが、螢子に気持ちを聞くと「だって、二枚目なんだもん」と気後れしてしまう。三郎の「男は顔ですか?」という台詞のおかしさ。田中裕子の持ち味を活かした螢子のキャラクターは、これまでになかった新しいタイプ。

小川螢子

小川螢子

寅さんだったら
何時間一緒にいたって、
退屈なんか
しないでしょう

マドンナ

小川螢子

小川螢子(田中裕子)

東京のデパートに勤めるOL。同僚のゆかり(児島美ゆき)と、九州旅行で湯平温泉に泊まった際に、寅さんと知り合う。三郎の運転する車で、旅行を楽しんだ螢子だったが、別れ際に三郎に告白されて戸惑う。理由は、三郎が「あんまり二枚目」だったから・・・

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小川螢子 第30作 田中裕子

明治大学在学中、1975年に文学座に入団。テレビ、映画で活躍。今村昌平監督『ええじゃないか』(81年)、新藤兼人監督『北斎漫画』(81年)、東陽一監督『ザ・レイプ』(82年)といった話題作に出演、その確かな演技力は、1983年、NHK朝の連続テレビ小説「おしん」でお茶の間にも浸透。朝間義隆監督『二十四の瞳』(87年)、山田洋次監督『虹をつかむ男』(96年)などで活躍。私生活では第30作『花も嵐も寅次郎』で出会った沢田研二と結婚。幻の第49作『寅次郎花へんろ』のマドンナ役も予定されていた。

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ゲスト

三郎

三郎(沢田研二)

寅さん、男は顔ですか?

母ひとり子ひとりで育って来た三郎青年。かつて母がつとめていた湯平館を訪れ、寅さんの計らいで法事をすることに。同宿していた螢子たちとも知り合い、楽しい旅をするうち、螢子に惚れてしまう。仕事は、千葉県船橋市の谷津遊園のチンパンジーの飼育係。寅さんの指南をうけて、螢子にアタックするが・・・

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三郎 第30作 沢田研二

1967年、グループサウンズ「ザ・タイガース」のリード・ヴォーカルとしてデビュー。ジュリーの愛称でティーンの人気者に、1973年よりソロ活動を開始し、歌手、俳優として、テレビ、映画、舞台で活躍。長谷川和彦監督『太陽を盗んだ男』(79年)、鈴木清順監督『夢二』(91年)などの話題作に出演し、1999年の市川準監督『大阪物語』では、本作での共演がきっかけで結婚した田中裕子と共演。

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桃枝

桃枝(朝丘雪路)

(寅ちゃんは)いいわね、気楽で、私も一人になりたい

とらやの向かいにある江戸家の娘。寅さんの幼なじみで、ハワイ土産を持ってきたところ寅さんとバッタリ再会。また寅さんの一目惚れか? となったところで、御徒町でゴルフショップを経営する夫(人見明)が登場・・・

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桃枝 第30作 朝丘雪路

父は日本画家の伊東深水。宝塚歌劇団を経て、テレビ「11PM」(NTV)のアシスタントとして人気を博し、バラエティ、ドラマ、映画で活躍。夫は第12作『私の寅さん』にも出演した津川雅彦。

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男はつらいよ 花も嵐も寅次郎

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

今度あの子に会ったら
こんな話しよう あんな話もしよう
そう思ってね、家出るんだ。
いざその子の前に座ると全部忘れちゃうんだね。
で、ばかみたいに黙りこくってんだよ。
そんなてめえの姿が情けなくって、こう
涙がこぼれそうになるんだよ な。
女に惚れてる男の気持ちって
そんなもんなんだぞ

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    ねえ、お兄ちゃん何の約束をしたの? まかせとけって・・・
  • 車竜造
    車竜造
    まあ、当たりめえの顔して一緒に暮らしているけど、夫婦にはそれぞれいろんな話があるからねえ
  • 車つね
    車つね
    寅ちゃん帰るといいね、そうしたらみんなで松茸料理が食べられるのに
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    もう惚れちゃったのかい、早いねェ、今度は
  • 諏訪博
    諏訪博
    何か起きるなこれは
  • 諏訪満男
    諏訪満男
    いいね、おじさんはいろんなとこに旅行できて
夢

ブルックリンで、札付きのワル、ジュリーが“ブルックリンの寅”の妹に、そうとも知らずに声をかける。そこへ寅が帰ってくる。果たして二人の対決の行方は?

騒動

騒動

松茸ご飯騒動

御前様からお裾分けで到来物の松茸をいただく。松茸ご飯に入った、一人に一切れずつの松茸を、寅さんは満男の注意力をそらしてとってしまう。

あにいもうと

あに
いもうと

螢子に惚れた三郎青年のために、恋のコーチを買って出た寅さんに、妹さくらは安心しつつも、どこかその本心を知ってか、気が気ではない・・・

人々

人々

  • 江戸家の娘 桃枝/朝丘雪路、その亭主/人見明
  • 湯平温泉「湯平荘」主人 牟田勝三/内田朝雄
  • 湯平荘で経を読む 和尚/殿山泰司
  • 螢子/田中裕子
  • その同僚 ゆかり/児島美ゆき
  • 螢子の母 絹子/馬淵晴子
  • 螢子のいきつけのスナックのママ/高木美輝
  • 谷津遊園の観覧車係のおじさん/桜井センリ

寅さんの
啖呵売

啖呵売

さあ、ねえ、赤い赤いは何見て渡る、赤いもの見て迷わぬものは、木仏、金仏、石仏、千里旅する汽車でさえ、赤いもの見てちょいと停まるというやつだ。さあ、続いた数字がふたっつだ、ふたっつ。はい、日光結構東照宮、憎まれ小僧が世にはばかる、ね、日揮の弾正はお芝居の上の憎まれ役てなどう? (臼杵福良天神・色紙、鏡)

売ネタ

  • 絵、鏡(大分県臼杵市・福良天満宮)
  • 正月飾り、鈴(大分県別府市・鉄輪温泉)

  • 寅さん「旅の夜風」
  • <挿入歌> 沢田研二「SCANDAL!」(「JULIE SONG CALENDAR」より)

ロケーション

  • 田舎の小さな寺/寅さんうたた寝
  • 大分県 別府市 別府鶴見岳/寅さんがハングライダーの青年に声をかける
  • 大分県 臼杵市 深田・臼杵磨崖仏 満月寺境内 日吉塔のそば/寅さんが歩く
  • 大分県 臼杵市 福良天満宮/寅さんとポンシュウが鏡・色紙を啖呵売
  • 大分県 由布市 湯布院町 湯平温泉/寅さん定宿“湯平荘”で、三郎・螢子・ゆかりが出会う
  • 大分県 由布市 湯布院町 下湯平 久大本線 湯平駅/寅さん、螢子たちと会話
  • 大分県 杵築市 南杵築 養徳寺/三郎、母の供養をする
  • 大分県 杵築市 志保屋の坂/三郎、螢子を誘うが、ゆかり、寅さんも一緒で・・・
  • 大分県 宇佐市 安心院町 アフリカンサファリ/寅さん・三郎・螢子・ゆかりが遊ぶ
  • 大分県 別府市 城島高原 城島後楽園遊園地/四人が遊ぶ
  • 別府港ホーバーフェリーのりば/寅さんと三郎が螢子たちと別れる
  • 東京都 千代田区 丸の内 大丸東京店/螢子、ゆかりが勤務
  • 千葉県 習志野市 谷津遊園/三郎がチンパンジーの世話をしている
  • 大分県 別府市 鉄輪温泉/寅さんが啖呵売
臼杵

大分県 臼杵

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大分県 臼杵

臼杵 基本情報

臼杵市(うすきし)は、大分県の東海岸に位置する市。国宝の臼杵石仏や醤油の製造で有名。近年では城下町の町並みでも知られるようになった。経済的には大分都市圏に属し、大分市との関係が深い。

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第30作
大分県 臼杵

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別府鉄輪温泉

大分県 別府鉄輪温泉

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大分県 別府鉄輪温泉

別府鉄輪温泉 基本情報

別府温泉(べっぷおんせん)は、大分県別府市(旧国豊後国速見郡)中心部の温泉街の名称。または、源泉数、湧出量ともに日本一を誇る温泉都市別府の市内各地に数百ある温泉の総称で、別府八湯(べっぷはっとう)とも呼ばれる。

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第30作
大分県 別府鉄輪温泉

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湯平温泉

大分県 湯平温泉

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大分県 湯平温泉

湯平温泉 基本情報

湯平温泉(ゆのひらおんせん)は、大分県由布市湯布院町湯平(旧国豊後国速見郡)にある温泉。
その歴史は、隣接する由布院温泉よりも古く、伝承では鎌倉時代に始まるとされ、史料でも室町時代には存在していたことが確認されている。 昭和の町村大合併で旧由布院町と合併して旧湯布院町となる以前は、療養型温泉として著名で、戦前は別府温泉に次ぐ、九州で第2位の入湯客を誇る温泉地として知られていた。

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第30作
大分県 湯平温泉

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あの頃

食べ物

マツタケ

御前様の到来もののマツタケ。社長は「へるもんじゃないよ」と言いながら匂いを嗅ぎ、おばちゃんは「寅ちゃんが帰ってくるといいね」と、皆で食べること嬉しさをさくらに話す。庶民にとって高値の花のマツタケ。キシメジ科のきのこである松茸は、養分の少ない乾燥した場所を好む。独特の強い香りを持って、日本では食用キノコの最高級品として「匂い松茸味シメジ」と言われている。

モノ

観覧車

三郎と螢子が、おじさん(桜井センリ)の計らいで、一緒に乗る谷津遊園の観覧車。この映画が公開された1982年12月に閉園された谷津遊園は、東京や千葉の子供たちにとって、身近な遊園地として親しまれた。戦前は阪東妻三郎の「阪妻撮影所」が開設されていたこともあり、その歴史は古い。戦後に作られた大観覧車は、東京湾を一望できる名物でもあった。

ファッション

デパートガール

螢子とゆかりが勤めているのは、東京駅八重洲口にあるデパート。撮影は大丸東京店で行われた。寅さんの啖呵売で「角は一流デパート、赤木屋、白木屋、黒木屋さんで・・・」という口上があるが、まさしく、今回はその「紅白粉つけたお姐ちゃん」がマドンナとなった。

主な出来事

11月24日
中曽根康弘・行政管理庁長官、自民党総裁予備選で圧勝。
11月27日
第1次中曽根内閣発足。田中派の7人入閣。
12月4日
米映画『E.T.』が日本で公開。のちに当時の日本と世界で史上最大の興行収入を記録。
12月
日本電信電話公社、カード式公衆電話、テレホンカード発売。

データ

封切り日
昭和57年12月28日
観客動員数
2,282,000人
入場料
1,500円
上映時間
106分
受賞歴
併映作品
『次郎長青春篇 つっぱり清水港』
監督:前田陽一 出演:中村雅俊、佐藤浩市、原田大二郎、平田満、明石家さんま、島田紳介
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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第30作 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎