男はつらいよ

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男はつらいよ 寅次郎の青春
スタッフ

第45作 (平成4年12月 公開)
男はつらいよ 寅次郎の青春

宮崎県油津、理髪店の女主人・蝶子(風吹ジュン)に、顔を当たってもらった寅さんは、雨宿りしているうちに、彼女の家に逗留することになる。高校の同級生の婚礼に来た、及川泉(後藤久美子)が寅さんに声をかけた瞬間、寅さんが足をくじいてしまう。その報せを聞いた満男は、泉に逢いたいがため、宮崎へ。ところが泉と一緒に迎えに来たのが、蝶子の弟・竜介(永瀬正敏)だから面白くない…
 風吹ジュン演じるヒロインの蝶子は、店のドアに鈴を付けて、その鈴を鳴らした客と結婚しようと密かに思っている。その鈴を鳴らしてしまう寅さんは果たして彼女のジンクスの人なのか? ロマンチックな大人の恋。満男と泉の青春物語も四年目を迎えて、今回は満男の“嫉妬”が描かれている。蝶子の弟で漁師の竜介に、『息子』(91年)で山田洋次作品に出演した永瀬正敏。南国、宮崎を舞台に、寅さんと蝶子、満男と泉、二組のドラマが賑やかに展開される。

及川泉

及川泉

幸せは自分で掴むの。
それがどんな物かは
わからないけど・・・
あ、これが幸せだ、
って言うものを
私の手でつかむの。
待つなんていや

蝶子

蝶子

その鐘をね、チリーン、って鳴らして、いろんな男の人が入ってきてまた、
チリーンって鳴らして出て行くの

マドンナ

及川泉

及川泉(後藤久美子)

高校を卒業し、東京のCDショップに就職。吹奏楽部の友人の結婚式で宮崎へ行くと、寅さんとバッタリ再会するが、寅さんがケガをしてしまう。満男との交際は続いているが、大きな発展はない・・・

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及川泉 第42・43・44・45・48作 後藤久美子

小学五年生からモデルとして活躍、1986年「テレビの国のアリス」(NHK)でデビュー、キャッチフレーズは「国民的美少女」。第42作『ぼくの伯父さん』(89年)、第43作『寅次郎の休日』(90年)、第44作『寅次郎の告白』(91年)、第45作『寅次郎の青春』(92年)、第48作『寅次郎紅の花』(95年)で、五作及川泉を演じた。

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蝶子

蝶子(風吹ジュン)

宮崎県日南市油津で理容院を経営している。弟の竜介は漁師。ふとしたことで知り合った寅さんを家に泊め世話を焼くことになる。店のドアの鈴を鳴らして、運命の男性が訪れるのを待っている。

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蝶子 第45作 風吹ジュン

初代ユニチカガール、1970年代のグラビア・アイドルとして一世を風靡。ドラマは「寺内貫太郎一家 第二部」(TBS・75年)、「前略おふくろ様」(NTV・76年)、「岸辺のアルバム」(TBS・77年)、向田邦子脚本の「阿修羅のごとく」(NHK・79年)などに出演。『蘇る金狼』(79年)、『無能の人』(91年)、『時の輝き』(95年)、『釣りバカ日誌9』(97年)などの映画に出演。

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ゲスト

竜介

竜介(永瀬正敏)

今日は、俺らのステージを見に、と、東京から駆けつけてくれたカップルがいます! 及川泉さんと諏訪満男君、イエー!

蝶子の弟。油津で漁師をしている。趣味はギターでロックバンドのリーダーでもある。満男が泉との仲を疑って嫉妬するが・・・

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竜介 第45作 永瀬正敏

1983年『ションベンライダー』で映画デビュー、1990年、ジム・ジャームッシュ監督の『ミステリー・トレイン』に出演。そして、山田洋次監督の『息子』(91年)では、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞などの映画賞に輝いている。

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及川礼子

及川礼子(夏木マリ)

佐賀のおばちゃん?、あの嫌なおじさんが出してくれるわけないでしょう? ねえ、お願いだからあんた来て、家の中もほったらかしなのよ、ママねえ、とても困ってるの・・・

泉の母、名古屋でミニクラブ「礼」を経営。しかし、不景気で経営は苦しく、ストレスは溜まる一方、さらには持病が悪化して入院することに・・・

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及川礼子 第42・44・45・48作 夏木マリ

1973年、「絹の靴下」が大ヒット、歌手、女優として、ステージや映画、テレビドラマで活躍。シリーズでは、第42作『ぼくの伯父さん』(89年)、第43作『寅次郎の休日』(90年)、第44作『寅次郎の告白』(91年)、第45作『寅次郎の青春』(92年)、第48作『寅次郎紅の花』(95年)で、泉の母・礼子を演じている。

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男はつらいよ 寅次郎の青春

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

思ってるだけで何もしないんじゃな
愛してないのと同じなんだよ。
お前の気持ちを相手に通じさせなきゃ
愛してんなら態度で示せよ

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    私たちが真面目に相談してるのにあんまりいい加減じゃないの。もし満男が失恋でもしたらどうしてくれんの?
  • 車竜造
    車竜造
    しょうがねえよ、お前年寄り夫婦の顔見ながら食べたってうまかねえんだろ、満男にしたって泉ちゃんにしたって
  • 車つね
    車つね
    あーあ、こんな時に寅ちゃんがいてくれたらねえ、あの子は優しいから『いいよ、おばちゃん、つきあうよ』なーんて言ってくれっかもしれないねえ
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    と言って懐かしがってる内が花だよ・・・
  • 諏訪博
    諏訪博
    お言葉を返すようですけどね、兄さん、失恋して成長するんなら兄さんなんか今ごろ、博士か大臣になってる筈なんじゃないんですか?
  • 諏訪満男
    諏訪満男
    そりゃ、最初はいいよ、伯父さんは人を笑わせるのがうまいし、楽しい人だから、あのおばさんも幸せかもしんない。けど、伯父さんは楽しいだけで、奥行きが無いから一年もすれば結局飽きてしまう。伯父さんは良く知ってんだ。だから、帰ることを選択したんだ。ね、そうでしょう、伯父さん
夢

明治の世。文豪・車寅次郎がシェイクスピアの翻訳をしていると、甥の満男が呉服屋の一人娘・泉と駆け落ちしてくる。追っ手が二人にせまるが、柔の道を究めた車博士にとって、猪口才な相手だった。

騒動

騒動

寅さん大けが?騒動

宮崎の泉から、くるまやに電話。寅さんがケガをして救急車で病院に、という報告を聞いた満男、泉会いたさに大げさに騒いで、宮崎へ。心配なのはさくらたちだが…

あにいもうと

あに
いもうと

寅さんが旅先でケガをした。泉からの電話で、宮崎に向かう満男。さくらとしては、寅さんのケガの具合や、満男と泉のことなど、心配事ばかりが重なる。

人々

人々

  • 鬼の洗濯板で寅さんたちを取り締まる警官/赤塚真人
  • 柴又帝釈天門前の麒麟堂/桜井センリ
  • 油津で理髪店を経営・蝶子 風吹ジュン
  • 油津の漁師・竜介永瀬正敏
  • 竜介の恋人・ユミ

寅さんの
啖呵売

啖呵売

さて、お正月をこの温泉町でお過ごしの皆様、新年、明けましておめでとうございます。どうぞ、みなさまにもよいお年でありますように、さて、ここに取りい出したるこのバック、角は一流デパートでお願いしますと、3000円から4000円くだらない品物です。神田は六方堂という有名な老舗が、今回のバブル崩壊で泣きの涙で投げ出した品物です。さ、お手にとって見てやってください、はい、手にとって見てやって、ね。(岐阜県下呂市下呂温泉・バック)

売ネタ

  • 貯金箱(宮崎市青島・青島神社)
  • バック(岐阜県下呂市・下呂温泉)

  • HILLBILLYBOPS「嵐のカーニバル」
  • 泉・博・三平「石狩晩歌」
  • 竜介「For the boys・・・」
  • 竜介「ビシバシ純情」
  • 寅さん・蝶子「港が見える丘」
  • <挿入歌> 徳永英明「夢を信じて」
  • <挿入歌> 徳永英明「最後の言い訳」

ロケーション

  • 宮崎県 青島 鬼の洗濯板
  • 宮崎県 青島 青島神社/スーパーボールのバイをする寅さんとポンシュウ、警官に取り締まられる
  • 宮崎県 日南市 油津 堀川運河 堀川橋/蝶子が店から出てくる。喫茶「いづや」に寅さんがいる
  • 宮崎県のとある旧家/泉が同級生の木村しのぶの結婚式に参列
  • 宮崎県 日南市 飫肥 飫肥城址/大手門前で、蝶子と歩いていた寅さん、泉と再会
  • 宮崎空港/満男が到着、バスにのる
  • フェニックスレストラン近く/泉が満男をバスから降ろす
  • 宮崎県 日南市 油津吾平津神社(乙姫神社)/秋の例大祭と油津みなとまつり。竜介、ステージで唄う
  • 宮崎県 串間市 石波海岸 南幸島の浜/寅さんと蝶子「港が見える丘」唄う
  • 岐阜県 益田郡 下呂町(現下呂市) 下呂温泉/阿多野川に架かる白鷺橋
下呂温泉

岐阜県 下呂温泉

日本地図
岐阜県 下呂温泉

下呂温泉 基本情報

下呂温泉(げろおんせん)は、岐阜県下呂市(旧飛騨国益田郡)にある温泉。林羅山が有馬温泉・草津温泉とともに、日本三名泉に数えた(ただし、当時は下呂ではなく湯島と表記)ことから、「日本三名泉」と称されている。

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第45作
岐阜県 下呂温泉

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近隣のロケ地
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日南

宮崎県 日南

日本地図
宮崎県 日南

日南 基本情報

日南市(にちなんし)は、日本国宮崎県の南部に位置する市。九州の小京都と称される飫肥(おび)や風光明媚な日南海岸国定公園などを抱える、歴史と自然あふれる観光の街である。

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あの頃

食べ物

小魚

足をケガした寅さんが帰ってくるということで、おばちゃんは何か身体に良いものを作ろうと、骨にはカルシウム入りの小魚が良いと聞く。おばちゃんにとっては、いつまでも「寅ちゃん」なのだろう。カルシウムを摂取するに適した三大食品といえば「野菜」「小魚」「牛乳」だが、このうち吸収率が高いものは、牛乳>小魚>野菜という順番になる。厚生労働書は、日本人のカルシウム摂取量を、1日700mgと定めている。

モノ

救急車

飫肥城址・大手門前で、泉と蝶子の板挟みになった寅さんが、足をくじいて。救急車で病院へ運ばれる。寅さんが救急車に乗るのは、第2作『続男はつらいよ』、第22作『噂の寅次郎』に次いで三度目。救急車が登場したのは19世紀初めのナポレオン戦争のとき、軍医長のドミニク・ジャン・ラーレーが負傷者への迅速な治療をするため、野戦病院への搬送システムを考案。救急車=ambulanceという言葉は、アメリカの南北戦争の時から使われるようになった。 馬車から自動車へと、移送手段の発達にともない、救急車のシステムは世界中に浸透。

ファッション

ダボシャツ

寅さんのトレードマークといえば、帽子、格子柄のダブルのジャケットとズボン、それに雪駄、首からはお守りを下げて、背広の下にはブルーのダボシャツを着用している。ダボシャツは襟なしで、袖口が広く、風通しが良いもので、テキヤ稼業の人々を中心に普及。フォーマルな背広に対し、カジュアルなダボシャツで、寅さんはバランスをとり、渡世人として、このスタイルに誇りを持っているようだ。

主な出来事

10月23日
天皇、初の中国訪問。
10月30日
大蔵省、都市銀行の不良債権総額(9月末)は12.3兆円と発表。
11月3日
ビル・クリントン、米大統領選挙に当選
12月12日
宮澤内閣改造内閣発足

データ

封切り日
平成4年12月26日
観客動員数
2,000,000人
入場料
1,500円
上映時間
101分
受賞歴
第3回文化庁優秀映画作品賞・長編映画部門(1992年)
併映作品
『釣りバカ日誌5』
監督:栗山富夫 出演:西田敏行、石田えり、三國連太郎、中本賢、戸川純、笹野高史、谷啓
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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