男はつらいよ

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男はつらいよ 拝啓車寅次郎様
スタッフ

第47作 (平成6年12月 公開)
男はつらいよ 拝啓車寅次郎様

大学を卒業し、靴メーカーの営業マンとなった満男が、滋賀県長浜市に住む大学の先輩・川井信夫(山田雅人)から祭りに誘われる。休暇をとって、長浜にやってきた満男は、先輩の妹・菜穂(牧瀬里穂)と最悪の出会いをして、そうそうに揉めてしまう。一方、寅さんは、琵琶湖畔で撮影旅行をしている主婦・典子(かたせ梨乃)と出会う。典子がアクシデントで怪我をしてしまったこともあって、同じ宿に泊まる。そこで典子から冷えきった夫婦の話を聞かされた寅さんは、彼女に同情するが…
 旅の暮らしを続けている寅さんと、一年に一度だけの贅沢のためにパートをしてお金を貯め撮影旅行に来た典子が、出会いひととき語り合う「本当の幸福について」。倦怠期を迎えた主婦をかたせ梨乃が好演。そして就職し、単調な日々に埋没している自分に疑問を持つ満男が旅先で知り合う牧瀬里穂演じる勝ち気な女の子・菜穂とのロマンス。寅さんと満男、それぞれの“淡い恋”が描かれる。後半、満男と寅さんの江の電駅での別れの会話は、味わい深い名シーン。

宮典子

宮典子

この一週間のために、
一年があるの

マドンナ

宮典子

宮典子(かたせ梨乃)

鎌倉在住の主婦。パートをしながら貯めたお金で、年一回、趣味のカメラを持って撮影旅行に出かけるのが何よりの楽しみ。夫との間は倦怠期を迎えている。琵琶湖のほとりで、寅さんと出会い、ひとときを過ごす。

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宮典子 第47作 かたせ梨乃

大学在学中にCMでデビュー、グラビア、ドラマ、映画などで活躍。映画『極道の妻たち』(86年)、『吉原炎上』(87年)、『肉体の門』(88年)、『陽炎』(91年)といった作品で、圧倒的な存在感を見せている。

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ゲスト

川井菜穂

川井菜穂(牧瀬里穂)

あのね、落ち着いて考えているうちに、だんだん口惜しくなってきて、だって、お兄ちゃんがああいう風なことをしたのが原因で、私と満男さんが友達でないようになるなんて

満男の大学の先輩・川井信夫の妹。父(河原崎長一郎)が局長をつとめる、郵便局に勤務している。兄の命令で、満男を長浜の名所を案内するが、昼寝をしていた寝顔を満男に見られたこともあり、その態度は冷たい。勝ち気な女の子。

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川井菜穂 第47作 牧瀬里穂

1989年薬品メーカーのミスコンテストで、グランプリ優勝し、芸能界デビューを果たし、JR東海「クリスマス・エクスプレス」CMで注目を集める。『東京上空いらっしゃいませ』(90年)で映画デビューを果たし、『つぐみ』(90年)で毎日映画コンクール新人賞をはじめ、映画賞を受賞。バラエティ、ドラマ、映画などで幅広い活躍を見せている。

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歌手・小林さち子

歌手・小林さち子(小林幸子)

「先生、このハガキ・・・」

新潟県上越市のレコード店めぐりをしている時、郵便局で寅さんと言葉をかわす。下積みが長く、売れない時代が続いたが、ついにヒット曲に恵まれ、寅さんと長崎県雲仙市で再会を果たす。

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歌手・小林さち子 第47作 小林幸子

1964年「うそつき鴎」でデビュー、天才少女歌手として一世を風靡。映画、テレビなどに出演。1979年「おもいで酒」がミリオンセラーとなり、日本レコード大賞最優秀歌謡賞に輝き、紅白歌合戦にも連続出場。女性演歌歌手のトップランナーとして活躍。映画は少女の頃、勝新太郎の『座頭市二段斬り』(65年)などに出演。第47作『拝啓車寅次郎様』では、故郷新潟で出演場面のロケが行われた。

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男はつらいよ 拝啓車寅次郎様

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

くたびれたなんていうのはな
何十遍も失恋した男の言う言葉なんだよ。
お前、まだ若いじゃないか
燃えるような恋をしろ
大声出して、のたうち回るような
恥ずかしくて
死んじゃいたいような恋をするんだよ

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    努力もしないで、面白くないとか、向いてないとか、そんなことどうして言えるの?
  • 車竜造
    車竜造
    いっそのこと、あの二人に店を譲るか。どうせ寅の奴はあてになんないんだし
  • 車つね
    車つね
    大事な仕事だよ。だって靴はかない人なんていないもんね
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    女房と二人で始めたんだけどね、あの工場、昭和二十一年、いやぁ、大変な時代だった・・・
  • 諏訪博
    諏訪博
    いいじゃないか、たまには気晴らしに、お祭りでも行ってこいよ
  • 諏訪満男
    諏訪満男
    おじさんは、他人の悲しさや寂しさが、よく理解できる人間なんだ
夢

本作品にはなし

騒動

騒動

満男の会社に挨拶騒動

浅草の靴メーカーの営業マンとなり、社会人となった満男。伯父さんとして、会社に挨拶すると言い出し、おいちゃん、おばちゃんと大げんか。寅さんはまた旅へ出てしまう。

あにいもうと

あに
いもうと

一年ぶりに再会したあにいもうと。満男が靴メーカーの営業職に就いたと聞き、寅さんはテストも兼ねて、鉛筆のバイを、満男にさせてみる。お手本を見せる寅さんが語りだすのは、さくらの母が削ってくれた鉛筆の思い出…

人々

人々

  • 歌手・小林さち子/小林幸子
  • 満男の会社の専務/すまけい
  • 満男の大学の先輩・川井信夫/山田雅人
  • 信夫の妹・川井菜穂/牧瀬里穂
  • 菜穂の父/河原崎長一郎
  • 菜穂の母/八木昌子
  • 宮典子/かたせ梨乃
  • 典子の夫・幸之助/平泉成

寅さんの
啖呵売

啖呵売

売ネタ

  • 暦(ポンシュウ、さぶと、新潟県上越市・春日山神社)
  • 防災グッズ(滋賀県長浜市)
  • 鉛筆(くるまやの茶の間)

  • 典子「琵琶湖周航の歌」
  • 歌手(小林幸子)「おもいで酒」

ロケーション

  • 新潟県 上越市 高田/レコード店の前で歌手がキャンペーン、ほど近くの郵便局で寅さんと歌手が会話をする
  • 新潟県 上越市 春日山神社/寅さん、ポンシュウ、サブが暦をバイしている
  • 滋賀県 菅浦 琵琶湖のほとり/典子と寅さんが出会う
  • 滋賀県 長浜市 大通寺/菜穂が満男を案内する
  • 滋賀県 長浜市 菜穂の家/満男が宿泊する
  • 神奈川県 鎌倉市 江ノ島電鉄線 鎌倉高校前駅
  • 長崎県 雲仙市(旧長崎県南高来郡小浜町) 島原鉄道バス 雲仙バス停/小林さち子と再会する寅さん
上越

新潟県 上越

日本地図
新潟県 上越

上越 基本情報

「越」は今日の新潟県のうち本州部分である「越後国」の意味であるのは共通だが、「上」の意味が異なる。
用途に関しては、1つは上越線と上越新幹線の鉄道路線(およびその沿線地域)の名称、もう1つは上越地方や上越市など地方地域の名称である。ともに新潟県が関係し、日常では近接して存在していることで両地域を一体化して捉えたり、所在を入れ違えたりすることがある。 上越地方にある上越市には2015年3月14日に北陸新幹線が開通し、市内に「上越妙高駅」[1]が設置された結果、上越新幹線でないところに「上越」の付く新幹線の駅ができることとなった。

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第47作
新潟県 上越

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長浜

滋賀県 長浜

日本地図
滋賀県 長浜

長浜 基本情報

長浜市(ながはまし)は、滋賀県北東部(湖北地方)に位置する市である。
中心市街は羽柴秀吉が長浜城の城下町として整備して以来の湖北地方の中心地で、長浜城廃城後は大通寺(長浜御坊)の門前町、北国街道や琵琶湖水運の要衝として発展した。姉川古戦場など戦国時代の史跡が多く、国友は近世に国内有数の鉄砲生産拠点として栄えた。

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第47作
滋賀県 長浜

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あの頃

食べ物

おせち料理

お正月、諏訪家に朝日印刷の従業員の中村(笠井一彦)、それに三平(北山雅康)、加代(鈴木美恵子)が、集まって新年を祝っている。社長は、昭和21年に奥さんと、朝日印刷を立ち上げた苦労話を疲労し、涙ぐむ。テーブルにはさくらが作ったおせち料理が並んでいる。おせちとは御節と書き、中国から伝わった暦上の節目、季節の変わり目などにあたる節日・節句のこと。その節日の祝い膳を「おせち料理」と呼ぶようになり、本来は歳迎えの膳として、大晦日に食べるものだった。

モノ

鉛筆

浅草の靴メーカーに就職した満男に、セールスの極意を伝授する寅さん。茶の間で「鉛筆」の売を実演。鉛筆の紀元は古く、古代、文字を記す際に、鉛を動物の皮などにこすったのが最初とされる。その後、ハンダ(鉛と錫の合金)を木片で挟むスタイルが発明され、1565年にスイスの動物学者コンラート・ゲスナーが、木の先端に黒鉛の塊を詰める、黒鉛式鉛筆を開発。現在の鉛筆がここから始まった。日本では17世紀初頭、徳川家康が使ったものが最初とされる。

ファッション

マフラー

寅さんが首に巻いているのは、シックなカシミア地を思わせるマフラー。いつも首もとが涼しく、そこに男性を感じたマドンナ(第37作『柴又より愛をこめて』の真知子)もいたが、冬の寒空、首に巻いた寅さんのマフラーはとても暖かそう。着の身着のままの寅さんに、自分のマフラーを、さくらが巻いてあげたこと(第6作『純情篇』)もある。江戸時代、襟巻きは隠居がするものとされたが、明治時代になると、防寒用として普及、大正昭和になると男女ともにファッションとして着用されるようになった。

主な出来事

10月13日
大江健三郎、ノーベル文学賞受賞。
11月1日
平安遷都1200年。
11月8日
米中間選挙で共和党が40年ぶりに上下両院で過半数を獲得。
11月28日
ノルウェーのEU加盟が国民投票の結果、1972年に続き否決。
12月10日
新生党、公明党など新進党結成。

データ

封切り日
平成6年12月23日
観客動員数
2,176,000人
入場料
1,800円
上映時間
101分
受賞歴
第5回文化庁優秀映画作品賞・長編映画部門(1994年)
併映作品
『釣りバカ日誌7』
監督:栗山富夫 出演:西田敏行、浅田美代子、谷啓、名取裕子、三國連太郎
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純 山本純ノ介
美術 : 出川三男

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第47作 男はつらいよ 拝啓車寅次郎様