男はつらいよ

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男はつらいよ 望郷篇
スタッフ

第5作 (昭和45年8月 公開)
男はつらいよ 望郷篇

義理ある正吉親分(木田三千雄)危篤の報をうけ、寅さんと登は札幌へ向かう。息子に逢いたいと懇願する親分のために、寅さんは機関手の息子・石田澄雄(松山省二)を説得するが、拒まれてしまう。親分の死により、浮草稼業に嫌気がさした寅さんは、一念発起、堅気を目指し、裏の工場の労働者となる。しかし長続きはせずに、たどり着いたのは浦安の豆腐店「三七十屋(みなとや)」。その一人娘・節子(長山藍子)に惚れた寅さんは、大ハリキリで、労働にいそしむが…
 山田洋次監督が『続・男はつらいよ』以来、久しぶりにメガホンをとった作品。父子の確執のエピソード、蒸気機関車のダイナミックな描写など、前半の重厚なドラマが一転、寅さんが労働者を目指す狂想曲への転調の楽しさ。浦安の豆腐屋の杉山とく子、長山藍子、その恋人・井川比佐志は、それぞれテレビ版でおばちゃん、さくら、博(テレビでは博士)を演じている。

拝啓寅さん
みんなからのメッセージ

「フーテン」と「労働」

熊五郎さま

 私は忙しさに追われると自然に寅さんのような生活に憧れを抱きます。しかし、寅さんは私たちに身を以て労働の大切さや住家のありがたみを教えてくれるのです。

 第5作では、豆腐屋の娘に惚れて、即仕事に就くという如何にも寅さんらしい動機から働き始めます。そして、さくらたちはその働き...ぶりに感動し、安心します。しかし、あるとき「ずっと働いてほしい」と意味深な言葉を受け、寅さんは勘違いをしてしまいます。娘は別の男と結婚をして豆腐屋を出ていってしまったのです…。
 
 この何とも可哀想な寅さんに私は落涙しました。さくらに「やっぱり俺には無理だったよ。」と言うシーンは大泣きを耐えられませんでした。
 
 「汗水たらして脂まみれになって働く」ことに憧れた寅さんは不器用でも懸命で、私たちに働くことの尊さを教えてくれました。「フーテン」は「労働者」の憧れで、「労働者」は「フーテン」の憧れであり、どちらもそれらが抱える苦労は計り知れないものだと思います。

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三浦節子

三浦節子

ねぇ、寅さん。
出来たらよ・・・
もし、出来たら
ずうっとうちの店に
いてもらえないかしら・・・

マドンナ

三浦節子

三浦節子(長山藍子)

浦安の豆腐店「三七十屋(みなとや)」のひとり娘で近所の美容院に勤めている。母・富子(杉山とく子)と二人暮らしの女所帯に、寅さんが住み込みで働くことに、無私な寅さん働きぶりに、節子が発した一言で寅のハリキリが頂点を迎えるが・・・

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三浦節子 第5作 長山藍子

俳優座養成所12期生。テレビ版「男はつらいよ」でさくらを演じ、松竹映画では『喜劇 よさこい旅行』(69年)などに出演。テレビでは石井ふく子制作のドラマ「女と味噌汁」や「渡る世間は鬼ばかり」(いずれもTBS)などに出演。

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ゲスト

三浦富子

三浦富子(杉山とく子)

そのうち、ね、誰かいい人見つけてあげるからね、寅さん

「三七十屋」を切り盛りしている。ふいに現れた寅さんが、貴重な男手となり、娘を他所へ嫁にやっても良いと思っている。節子に寅さんが惚れていることなど、つゆとも思っていない。

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三浦富子 第5作 杉山とく子

1948年に俳優座に入団、映画『キューポラのある街』(62年)の吉永小百合の母役など、数多くの映画、舞台に出演。テレビ版「男はつらいよ」では、つねを演じ、映画版でもシリーズ後期の『寅次郎の告白』まで、さまざまな役柄を好演。

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木村剛

木村剛(井川比佐志 )

今聞いたら、寅さんが、店をやってくれる、それなら、母さんも助かるし、非常に好都合だなって・・・

節子の恋人で、国鉄に勤めている。近々転勤が決まって、節子と結婚する決意をする。

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木村剛 第5作 井川比佐志

俳優座7期生。勅使河原宏監督の『おとし穴』(62年)で注目を浴び、映画、テレビ、舞台で活躍。テレビ版「男はつらいよ」では、諏訪博士(職業は医師・第2作の藤村医師にあたる役)を演じ、長山藍子のさくらと結婚するという展開だった。『家族』(70年)、『故郷』(72年)などの山田洋次作品に出演。

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男はつらいよ 望郷篇

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

さくら、お前らしくないな
粋だとかイナセってのは今までの俺のことをいうんだよ
そんなものが地道な暮らしとは、俺は思えねぇな

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    お兄ちゃん、あの、地道に暮らして、それから考えることも地道にね、あまり飛躍しちゃだめよ
  • 車竜造
    車竜造
    帰ってくれ、帰って、死んだのはこのわしだっバカ!
  • 車つね
    車つね
    あんた大変だよ、寅ちゃん帰ってきてね、これから地道に暮らすんだってさ
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    聞いてるよ、うまくやってるようじゃないかよ、浦安の方でさぁ
  • 諏訪博
    諏訪博
    だいたいね社長、無神経すぎますよ。寅さんの顔が笑ってる顔かどうかくらい分らなかったんですか?
夢

懐かしさいっぱいに、とらやに戻ってくる寅さん。しかし幾重にも重なる襖が開くと、おいちゃんが息を引き取ろうとしている。男泣きの寅さんは…

騒動

騒動

おいちゃんが虫の息騒動

電話でおばちゃんから聞いた一言で、寅さんは葬式一切の手配をして、とらやに帰ってくる。しかし、それが冗談だとわかって…

あにいもうと

あに
いもうと

札幌の義理ある親分の危篤を聞いた、寅さんがさくらの「渡世の義理」と借金を申し込む。堅気になって欲しいと願いつつ、さくらは、かつて満男にくれた五千円を差し出す。

人々

人々

  • 正吉親分/木田三千雄、石田澄夫/松山省二(父子。北海道の親分とその息子。)
  • 三浦富子/杉山とく子、節子/長山藍子(母娘。寅さんが一目惚れした豆腐屋の娘とその母。)
  • 木村剛/井川比佐志(国鉄職員。節子の店に豆腐を買いにくる。)

寅さんの
啖呵売

啖呵売

売ネタ

  • たわし、雑貨、せともの(源公と・千葉県浦安市堀江・清瀧神社)

  • 寅さん「月の法善寺横丁」
  • 寅さん「メーデーの歌」

ロケーション

  • 北海道 札幌市/正吉親分の入院している病院へ寅さんが見舞う
  • 北海道 小樽市/寅さんと登、親分の息子探し
  • 函館本線の小樽〜小沢/間を驀進するD51-27を、寅さんの乗ったタクシーが追いかける
  • 函館本線・銀山駅/汽車が通過してしまう
  • 函館本線・小沢駅/なんとか追いつく
  • 小沢駅前・末次旅館/寅さんと登が宿泊
  • 千葉県 東葛飾郡浦安町(現・浦安市)/寅さんが「三七十豆腐店」で働く
  • どこかの海岸/寅さんが登と再会する
札幌

北海道 札幌

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北海道 札幌

札幌 基本情報

日本最北の政令指定都市であり、全国の市の中で4番目の人口を有している。北海道の政治・経済・文化の中心都市(プライメイトシティ)で、札幌都市圏を形成している。
アイヌの人々が暮らしていた蝦夷地は1869年(明治2年)に北海道と改称され開拓使が置かれて札幌本府の建設がはじまった。1875年(明治8年)に最初の屯田兵が入植。札幌の建設計画は当時の開拓判官島義勇によって構想され、京都を参考にした街づくりは創成橋東側のたもとを基点に東西の基軸を創成川、南北の基軸を渡島通(現在の南1条通)として区画割を進めていった(現在の南北の基軸は大通公園となっている)。その後、周辺町村を編入・合併して市域を拡大していった。

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小樽

北海道 小樽

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北海道 小樽

小樽 基本情報

人口は道内第7位。石狩湾に面し、古くから港湾都市として発展した。歴史的建造物が数多く、観光都市としても人気が高い。
後志管内では唯一の市であり管内総人口の過半数を抱えるが、後志総合振興局は内陸の倶知安町に置かれている。保健所政令市の一つ。かつて最盛期の1960年代には人口は20万人前後をかぞえ、札幌市からJR快速列車で30分強であることから、隣接する札幌市のベッドタウンとしての役割も持つ。しかし、人口は減少傾向にあり、2010年4月12日に総務省から過疎地域として指定され、同年の国勢調査では約13万2千人まで減少した。

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浦安

千葉県 浦安

日本地図
千葉県 浦安

浦安 基本情報

東京湾の最奥部、旧江戸川(江戸時代までは太日川)の河口左岸の低平な自然堤防、三角州および埋立地からなる。市域の約4分の3は1960年代後半以降造成された埋立地が占めており、かつては3kmほど沖まで続く遠浅の海が広がっていた。旧村の集落はいずれも江戸川の派川である境川両岸の自然堤防上に位置する。
自然地形としての山や丘は市内に存在しない。築山としては、中央公園に高さ14mほどの通称「浦安富士」がある。

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あの頃

食べ物

油揚げ

三七十屋とうふ店で、額に汗して働く寅さんが、せっせと揚げている。宅急便のない時代、寅さんは郵便小包をとらやに送付するが、夏場なので、大変な事に・・・

モノ

渡しの小舟

半日で労働に飽きた寅さんが、江戸川に係留してある“渡しの小舟”で昼寝中、舫が解けて、そのまま浦安へと流される。

ファッション

労働者スタイル

労働者志願をした寅さんは、博から借り受けたジーンズと白いシャツ、帽子をかぶって、朝日印刷へ。歌うはもちろん「メーデーの歌」

主な出来事

8月1日
イギリスで英連邦諸国省と植民地省が統合、英連邦省が発足。
8月2日
都内で初の歩行者天国が銀座、新宿、池袋、浅草で実施される。
8月13日
ソビエト・西ドイツ武力不行使条約がモスクワで締結。
8月30日
植村直己がマッキンリーに登頂。日本人初の五大陸最高峰登頂。

データ

封切り日
昭和45年8月26日
観客動員数
727,000人
入場料
550円
上映時間
88分
受賞歴
第25回毎日映画コンクール・脚本賞/山田洋次、宮崎晃(1970年)
同・主演女優賞/倍賞千恵子(同)
キネマ旬報BEST10第8位(同)
同・脚本賞/山田洋次、宮崎晃(同)
同・女優賞/倍賞千恵子(同)
シナリオ作家協会シナリオ賞/山田洋次、宮崎晃(同)
併映作品
『なにがなんでも為五郎』
監督:野村芳太郎 出演:ハナ肇、谷啓、光本幸子、曽我迺家明蝶、小沢栄太郎、有島一郎
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 佐藤公信

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第5作 男はつらいよ 望郷篇