男はつらいよ

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男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
スタッフ

第17作 (昭和51年7月 公開)
男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け

上野の飲み屋で、みすぼらしい老人と出会った寅さんは、気の毒に思いとらやに連れて来てしまう。その老人は、日本画の大家・池ノ内青観(宇野重吉)だった。世話になったお礼として青観が描いた絵をめぐり、とらやでは大騒動が巻き起こり、寅さんは旅に出ることに。ところが兵庫県龍野で、寅さんは青観と再会、市長の接待を受け、芸者ぼたん(太地喜和子)と意気投合。しばらくして、ぼたんが、客だった鬼頭(佐野浅夫)に貸した二百万円を踏み倒されそうになって、上京。あまりにも理不尽な事態に、憤慨した寅さんは・・・
 寅さんと日本画檀を代表する画家の友情は、シリーズの楽しさの一つである「寅さんとインテリ」のバリエーション。さらに、気っぷの良い姉御肌の龍野芸者ぼたんは、太地喜和子の好演もあって、寅さんとピッタリの相性。ゲストとマドンナのバランスが絶妙で、佳作となった。青観の正体がわかっても、身分の隔てなく、自分のスタンスでつき合う寅さんの魅力。青観のかつての恋人・志乃役で、岡田嘉子が久しぶりに日本映画に復帰した。

マドンナ
ゲスト
ロケ地

拝啓寅さん
みんなからのメッセージ

龍野の橋の上

ヨシヒロ多摩さま

ラストシーン。龍野。橋の上。自転車のアイスキャンデー屋。

そばを通り過ぎた寅さんが戻ってきて「一本くんねえかい」。

アイスキャンデーを受け取り、耳に挟んだ百円玉を渡します。
釣りはいらねえよという仕草のあと、キャンデーを口に含み うなずき、カバンを持ってサッと消えま...す。

サマになっていますね。

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太地喜和子さんとの掛け合いがお見事!

寅ジローさま

「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」。これも名作!。マドンナは太地喜和子さん。他にも、宇野重吉さん、岡田嘉子さんらそうそうたる布陣です。シリーズとは思えない、大作に近いキャスティングです。ひとつ気になる事があります。渥美清さんは太地喜和子さんを良く思っていなかったという話は本当で...しょうか?太地喜和子さんといえば名演技もさることながら、スキャンダルでも名を馳せた方でした。渥美さんはそんな部分を気に入らなかったのでしょう。だとすれば、凄いことです!寅次郎と太地喜和子さん演ずる芸者のぼたんの掛け合いは見事です。リリーに匹敵するくらいのマドンナです。人間関係はどの社会でも悩み事です。でも渥美清さんと太地喜和子さんは、映画をやり遂げた。まさにプロフェッショナルですね!ぼたんの登場する作品をもう一本くらい見たかったというのは私だけでしょうか?
でも太地喜和子さんは1992年に急逝してしまいました。残念です。
一方で岡田嘉子さんが映画で名セリフを言っています。「人生には二つの後悔があると思うの。ひとつは、あの時何であんなことをしてしまったんだろう、という後悔。もう1つは、どうしてあの時ああしなかったんだろう、という後悔。」ソ連へ亡命して波乱万丈の人生を過ごした岡田嘉子さんが語るこのセリフには重みがあります!「寅次郎夕焼け小焼け」この作品は勿論、名作ですが、他のシリーズにはない異色感があります。

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ぼたん

ぼたん

私、幸せや。
とっても幸せ。
もう二百万円なんかいらん。
私、生まれてはじめてや、
男の人のあんな気持ち知ったん。

マドンナ

ぼたん

ぼたん(太地喜和子)

情に弱くて、情けに厚い、気っぷの良い龍野芸者・ぼたん。池ノ内青観と一緒に座敷で接待を受けている寅さんと意気投合。寅さんが気軽に「所帯持とう」と声をかけてしまうほど、二人の息はピッタリ。

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ぼたん 第17作 太地喜和子

高校在学中に東映ニューフェースに合格し、志村妙子の芸名で映画デビュー。その後、俳優座を経て、文学座へ入り、舞台、映画、テレビで活躍。『喜劇 男の泣きどころ』(73年)や『喜劇 男の腕だめし』(74年)などの松竹喜劇や、『新座頭市物語 折れた杖』(72年)や『悪名 縄張り荒らし』(74年)などのヒットシリーズに助演しても、独特の存在感を示した。文学座のトップ女優として円熟期を迎えた1992年、不慮の事故で急逝。寅さんと抜群の相性のマドンナ、ぼたん役は永遠にファンの胸に残っている。

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ゲスト

池ノ内青観

池ノ内青観(宇野重吉)

僕が絵を描くという事は、こりゃね、こりゃ僕の仕事なんだ、金を稼ぐためのもんじゃない

上野の焼き鳥屋で無銭飲食になるところを、寅さんが助けたことで知り合う。風体はみすぼらしいが、実は日本画の大家。そうとは知らず、とらや一家はぞんざいに扱う。兵庫県龍野で、かつて訳ありだった女性・志乃(岡田嘉子)と再会、青春の日々の後悔の念を告げるが・・・

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池ノ内青観 第17作 宇野重吉

戦前より俳優として活躍、1950年には滝沢修らと劇団民藝を創設。新劇のリーダー的存在として、数々の公演に出演。大河ドラマ「赤穂浪士」(64年)で“蜘蛛の陣十郎”を演じ、お茶の間でも親しまれた。1985年、宇野重吉一座を立ち上げ、1988年に亡くなるまで、精力的に全国公演を行った。『寅次郎夕焼け小焼け』では、長男での寺尾聡と父子共演。

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志乃

志乃(岡田嘉子)

人生に後悔はつきものなんじゃないかしらって。ああすればよかったなあ、という後悔と、もうひとつは、どうしてあんなことしてしまったのだろう、という後悔・・・

かつて池ノ内青観と大ロマンスを繰り広げたであろう老婦人。龍野で華道と茶道を教えながら、ひっそりと暮らしている。数十年ぶりに再会した青観に対し「人生には後悔がつきもの」と達観を見せるが、青観が町を立ち去る時、見送る志乃の姿に、彼女の万感の想いが溢れている。

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志乃 第17作 岡田嘉子

大正から昭和初期にかけて、新劇から映画女優に転身、サイレント映画全盛時代の銀幕で活躍。彼女の舞台を演出した杉本良吉と恋に落ち、1938年、北海道から樺太国境を越えて、ソビエト連邦へ越境。「恋の逃避行」として新聞紙上をにぎわした。それから35年をソ連で過ごし1972年に帰国。『寅次郎夕焼け小焼け』(73年)で映画復帰、渥美清とは『皇帝のいない八月』(78年)でも共演。その後、ペレストロイカによる改革が始まったソ連へ1986年に帰国。1992年に病没するまでモスクワで暮らした。

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男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

この家で揉め事があるときは
いつも悪いのはこのオレだよ。

でもなあ、さくら
オレはいつも、こう思って帰って来るんだ。
今度帰ったら、今度帰ったら
きっとみんなと仲良く暮らそうって
あんちゃんいつもそう思って・・・

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    お兄ちゃんはね、うそをついたり人をだましたりした事なんか一度だってないんだもの、誰にも後ろ指さされることないのよ
  • 車竜造
    車竜造
    オレなんかびっくりして心臓止まりそうになっちゃったよ
  • 車つね
    車つね
    ひょっとしたらスリかなんかの親分じゃないかい。全国指名手配で、逃げ回ってんだよきっと
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    あら総理大臣の甥御さん?、こう言って誰かが笑うか、笑わねえだろ、ところが、あら、あなた寅さんの甥御さん?、こう言うとさ、みんなつい、笑っちゃうんだよ
  • 諏訪博
    諏訪博
    しかし総理大臣を引き合いに出されちゃ、いくら兄さんだってかわいそうだよ
夢

一家を呑み込んだ、人食いザメを必死に探す車船長とさくら。燃料が尽きても、執念の鬼と化した船長だったが、さくらまでもサメの餌食になって…

騒動

騒動

満男小学校入学騒動

寅さんがご祝儀を用意しているところへ、さくらが涙ながらに帰宅。聞けば先生が「あら君、寅さんの甥御さんね」といって、父兄たちが笑ったという。寅さん「あんな学校へ行くな」と、大怒り。

あにいもうと

あに
いもうと

ぼたんのために、何かしてあげようと家を飛び出して、青観宅に行った後、そのまま旅に出る事にした寅さん。上野駅まで荷物をさくらと、源ちゃんに届けてもらうことにする。いつもの駅の食堂で「お金ある?」と優しい気遣いをするさくら。

人々

人々

  • 池ノ内青観/宇野重吉(寅さんが上野の焼き鳥屋で知り合う。日本画家)
  • 池ノ内青観・夫人/東郷晴子、お手伝いさん/岡本茉莉
  • 神田大雅堂主人/大滝秀治(青観の書いた絵を買い取る)
  • 龍野市長/久米明、観光課長/桜井センリ、観光課係員 脇田/寺尾聰
  • 龍野芸者 ぼたん/太地喜和子
  • 志乃/岡田嘉子(青観のかつての恋人)、お手伝いさん/榊原るみ
  • 鬼頭/佐野浅夫(ぼたんが二百万円を投資した相手)

寅さんの
啖呵売

啖呵売

この近くは墨田区の麒麟堂という大きなおもちゃ問屋が、なんと驚くまいか、僅か60万円の税金で、投げ出した品物です。ね、本来ならこんなお安いお値段でお願いできるもんじゃないが、こっちにも差し迫った事情があります、ね、浅野匠頭じゃないが腹切ったつもりだ、ね、どう、こんないいものが千五百円、はい、ダメか、ほい、千円だ、千円。(源公と東京都葛飾区柴又・猿の人形、おもちゃ)

売ネタ

  • おもちゃ、猿の人形(東京都足立区・西新井大師の縁日)
  • おもちゃ、猿の人形(源公と東京都葛飾区柴又)

  • 寅さん・ぼたん・観光課長「お座敷小唄」
  • 青観「せんせい」「俺は待ってるぜ」
  • 観光課長「酋長の娘」

ロケーション

  • 田舎の漁港/寅さんが夢から醒める。
  • 東京都 足立区 西新井大師/寅さんが源公と、猿の玩具をバイ。
  • 東京都 千代田区 神田神保町 古書店 大雅堂/寅さんが青観の絵を持って行く。
  • 兵庫県 龍野市(現たつの市) 清江橋/寅さんが青観と再会。
  • 兵庫県 龍野市本町 梅玉旅館/宴席で寅さんがぼたんと出会う。
  • 兵庫県 龍野市 山崎街道〜揖保川〜龍野公園/龍野橋から鶏籠山を望む。寅さんが観光課の職員に案内される。
  • 兵庫県 龍野市 上霞城 武家屋敷跡/青観が界隈を歩く。
  • 兵庫県 龍野市/寅さんが龍野橋の上でアイスキャンディーを食べる。
龍野

兵庫県 龍野

日本地図
兵庫県 龍野

龍野 基本情報

兵庫県の南西部に位置し、南北に長い地形になっている。 市域の北側には山地が広がり、南側は瀬戸内海に面し、南北を揖保川が流れている。

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第17作
兵庫県 龍野

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あの頃

食べ物

そうめん

龍野で寅さんたちが昼食で入る蕎麦屋で注文するのが、龍野名物の「揖保そうめん」。兵庫県西部にに流れ、姫路市の西で瀬戸内海に注ぐ70kmの揖保川の名前をつけた手延べそうめん。江戸時代、農家の副業で始まったそうめん作りは、現在では全国シェアの四割に。赤穂の塩、揖保川の水などの材料によってスタンダードとなった。

モノ

宝珠の絵

とらやを宿屋と、間違えてしまった青観が、お詫びにと、満男の画用紙にさらさらと一枚の絵を描く。寅さんは「タマネギか?」と聞いた「宝珠」の絵。宝珠とは、仏教で様々な霊験をあらわす宝の珠=チンターマニのこと。仏堂の上や、橋の欄干に装飾される擬宝珠など、古くからありがたいものとして親しまれている。その絵が神田の古書店で、七万円で売れたことから・・・

ファッション

鉢巻き

龍野から放心状態で帰って来た寅さん。知らない間に贅沢が身に付いてしまい、溜息の日々を過ごしている。その場面で、寅さんはタオルをねじり鉢巻にしている。日本では精神統一や気合いを高めるために、細長い布を頭に巻く風習がある。日本神話でアメノウズメ命が、天岩戸から天照大神を誘い出すときに、額にツタを巻いたことに始まるとされる。

主な出来事

7月3日
イスラエル軍がウガンダのエンデベ空港を奇襲、ハイジャックされたエールフランス機の乗客を救出。
7月17日〜8月1日
モントリオールオリンピック開催。
7月27日
ロッキード事件で田中角栄前首相逮捕。
7月28日
中国で唐山地震。20万人以上の犠牲(史上最大被害の地震)
8月20日
東海道新幹線「こだま」に禁煙車が登場。

データ

封切り日
昭和51年7月24日
観客動員数
1,685,000人
入場料
1,200円
上映時間
109分
受賞歴
第31回毎日映画コンクール・日本映画優秀賞(1976年)
キネマ旬報BEST10第2位(同)
同・助演女優賞/太地喜和子(同)
第19回ブルーリボン賞BEST10ランク(同)
第1回報知映画賞・助演女優賞/太地喜和子(同)
第5回文化庁優秀映画(同)
併映作品
『忍術 猿飛佐助』
監督:山根成之 出演:財津一郎、松坂慶子、志村喬、待田京介、若林豪、原田大二郎
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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第17作 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け