男はつらいよ

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男はつらいよ 寅次郎と殿様
スタッフ

第19作 (昭和52年8月 公開)
男はつらいよ 寅次郎と殿様

旅先の寅さんは、伊予の国大洲で、わけありの若い女性・鞠子(真野響子)に親切にする。その後、大洲の城跡で浮世離れした老人と知り合うが、その老人こそ、世が世なら伊予の殿様・藤堂久宗(嵐寛壽郎)であった。饗応を受けた寅さんは、殿様の「次男の未亡人に一目会いたい」という願いを安請け合い。しばらくして殿様は、とらやに「寅次郎君はおりますか」とやってくるが…
 サイレント映画時代から昭和二十年代にかけて時代劇のヒーロー“鞍馬天狗”を演じ続けた剣劇スター・嵐寛寿郎をゲストに迎え、渥美清と珍妙かつ絶妙なやりとりを繰り広げる。寅さんが大洲の旅館で出会う、美しきマドンナ鞠子に真野響子。殿様の侍従を演じた三木のり平のおかしさは、まさしくベテラン喜劇人ならではの味。夫に先立たれ、その想い出を胸に、懸命に働きながら、幸せを求めるヒロイン。殿様をめぐるエピソードの微笑ましさの中に、父と息子の嫁の、血が繋がらないがゆえの心の交流の美しさが繰り広げられていく。

拝啓寅さん
みんなからのメッセージ

意外なコミカルなアラカンさん!

寅ジローさま

ボクのお気に入り。「男はつらいよ 寅次郎と殿様」です。私は昭和生まれ戦後育ちなので、アラカンさんの活躍を知りませんでした。鞍馬天狗といえば、今でいうウルトラマンか仮面ライダーくらいのヒーローだっだそうですね。
しかし、渥美清さん演ずる車寅次郎は、どんなゲストスターが来ても動じな...い、というか萎縮してない。志村喬さん、東野英治郎さん、森繁久弥さん、田中絹代さん、宇野重吉さん、三船敏郎さん(第38作)、そして本作の嵐勘寿郎さん...
ビッグネームと対等に演ずる渥美清さんの役者魂を感じずにはいられない。
また、三木のり平さんが殿様の執事をコミカルに演じていて楽しい。三木のり平さんの出演が本作だけだったのが惜しまれる。山田監督独特の落語のエッセンスをあちこちに感じる楽しめる作品です。

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堤鞠子

堤鞠子

でも私は若いんだし、
どんな人生がこれから
広がるかわからないし、
例え苦労が多くたって
そういう生き方を
選ぶべきだと・・・
そんなふうに思うのよ

マドンナ

堤鞠子

堤鞠子(真野響子)

愛媛県大洲市に亡き夫の墓参に訪れた時に、寅さんと出会う。その亡夫の父こそ、寅さんが大洲で知り合った大洲藩主十六代目当主・藤堂久宗(嵐寛寿郎)で、血のつながらない父娘は、とらやで再会を果すことになるが・・・

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堤鞠子 第19作 真野響子

少女時代をサンフランシスコで過ごし、劇団民藝に入団、女優として舞台やテレビで活躍。『忍ぶ糸』(73年)で映画デビューを果し、『沖田総司』(74年)に出演後、『寅次郎と殿様』の鞠子役に抜擢された。

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ゲスト

藤堂久宗

藤堂久宗(嵐寛壽郎)

一目お会いした時から私にはよく分かりました。あなたがそばにいてくださって、克彦はどんなに幸せだっ・・・

伊予大洲藩十六代当主。世が世なら殿様だが、老いを感じるにつけ、急逝した息子の嫁に一目会いたいと願っている。城趾で500円を拾った縁で、寅さんと知り合う。

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藤堂久宗 第19作 嵐寛壽郎

日本映画史に残る剣戟スター。その出演作は300本にのぼり、最大の当り役は「鞍馬天狗」。1927年の『鞍馬天狗異聞・角兵衛獅子』から1956年の『疾風!鞍馬天狗』まで40作にも及ぶ「鞍馬天狗」は、少年たちのヒーローとなった。晩年は、「網走番外地」シリーズや「緋牡丹博徒」シリーズで貫禄のあるところを見せた。第22作『噂の寅次郎』の併映作『俺は田舎のプレスリー』(78年)では、寅さんでおなじみの“坂東鶴八郎一座”に入れあげる東北の旦那役で出演。

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吉田六郎太

吉田六郎太(三木のり平)

宮仕えは辛いね

大洲の殿様・藤堂久宗に執事として仕える。殿様の前では従順で優秀な執事だが、以外とC調なところもある。はるばるとらやを訪れたときには、彼女とおぼしき女性・こずえを同伴。

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吉田六郎太 第19作 三木のり平

戦後、三木鶏郎グループの一員としてNHKラジオ「日曜娯楽版」に出演。コメディアンとして映画、演劇、テレビで活躍。映画では森繁久彌との「社長シリーズ」「駅前シリーズ」などで、C調なキャラクターを好演。森光子の「放浪記」(81年)など演出家として活躍。99年没。

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藤堂宗通

藤堂宗通(平田昭彦)

坊ちゃんですか? ほう、可愛いですねぇ

殿様の長男。鞠子とはすでに縁を切ったと、とらやに手切れ金を持って現れる。どこまでもクールで、熱い殿様とは正反対のタイプ。

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藤堂宗通 第19作 平田昭彦

東大法学部を卒業後、商社を経て第5期ニューフェースとして東宝に入社。『ゴジラ』(54年)の博士役や、岡本喜八監督のアクション映画のインテリ殺し屋役などで個性を発揮。84年没。

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男はつらいよ 寅次郎と殿様

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

そうだなあ、人間の運命なんてわからないもんなあ。
俺だってよ、いつかどっかでいい女に
巡り合うかもしれねえもんなあ。
例えばの話さ
この敷地またいだ所でいい女にばったり会って
その女と所帯持っちゃうかもしれねえな

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    あのね、お兄ちゃん、大変なことが書いてあるのよ。お兄ちゃんさえよければ、将来鞠子さんと一緒になってほしいって
  • 車竜造
    車竜造
    悔しかったらな、もっと尊敬される人間になれ、そうすりゃ誰も、あの犬にトラなんて名前つけやしねえ。それをなんだ。いい年をして、嫁ももらわねえでフラフラフラフラしてりゃ、まるで野良犬じゃねえか
  • 車つね
    車つね
    ポチにしょうよ、寅ちゃんが帰ってきたら怒るよ
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    第一男のほうがたまらないよ。“あ、今こいつ前の亭主のことを思い出してる”なんて考えたら・・・
  • 諏訪博
    諏訪博
    冗談じゃない、兄さんのこと呼び捨てにするもんですか。あ、あの犬ですよ。あの犬トラって・・・
夢

京洛の地。鞍馬天狗のおじさんは、杉作を助けてくれた美しき女性に礼をいう。「もしやあなたは?」兄妹の感動の再会も束の間、鞍馬天狗を狙う敵が・・・

騒動

騒動

こいのぼり騒動

寅さんが満男に小さなおもちゃの鯉のぼりを買って来たが、とらやでは博が大きな鯉のぼりを揚げていた。 犬のトラ騒動

あにいもうと

あに
いもうと

殿様のたっての願い。鞠子と共に暮らすこと、その生涯の伴侶に寅さんを、という指名の手紙を受け取り、大ハリキリする寅さん。鞠子の真意を確かめるために、さくらは東京晴海の鞠子のつとめる倉庫まで出向くが・・・

人々

人々

  • 堤鞠子/真野響子
  • 伊予大洲の殿様・藤堂久宗/嵐寛寿郎
  • 藤堂家の侍従・吉田/三木のり平
  • 伊予の巡査/寺尾聰
  • 伊予の出前持ち/岡本茉莉、露木幸次)
  • 藤堂宗通/平田昭彦(殿様の長男)
  • こずえ/藤代佳子(吉田の愛人)

寅さんの
啖呵売

啖呵売

さて、東京の皆さん、お嬢ちゃん、お坊ちゃん、こんにちは、長い間どうもお世話様になりました。私、この度、故ありまして、四国の田舎に引っ込むことになりました。長い間のご愛顧に、お応えいたしまして、本日はメチャクチャの大安売り、儲けはいらない。帰りの電車賃だけいただければ、それで結構、ね、お嬢ちゃん、手にとって見て頂戴・・・(東京都江戸川区南小岩・キャバレーホンコン脇・ぬいぐるみ)

売ネタ

  • 靴・長靴(愛媛県松山市・縁日)
  • ぬいぐるみ(東京都江戸川区南小岩・キャバレーホンコン脇)

  • 満男「鯉のぼり」
  • 寅さん「鞠と殿様」
  • 寅さん「浪曲 壺阪霊験記」

ロケーション

  • 愛媛県 伊予郡 双海町(現・伊予市)予讃線 下灘駅/寅が夢から醒める
  • 愛媛県 大洲市 大洲 おはなはん通り/鞠子が散策する
  • 愛媛県 大洲市 大洲 肱川河畔 鵜飼舟を観る鞠子
  • 愛媛県 大洲市 大洲 伊洲屋旅館/寅さん、隣室の鞠子と知り合う
  • 愛媛県 大洲市 大洲 伊予大洲城址 寅さんのお金を、殿様が拾う
  • 東京都 葛飾区 青砥 青戸団地/寅さんが鞠子を訪ねる
  • 東京都 江戸川区 南小岩/商店街で寅さん啖呵売
  • 愛媛県 大洲市 大洲 伊予大洲城址 寅さん、さくらにSOS電話
大洲

愛媛県 大洲

日本地図
愛媛県 大洲

大洲 基本情報

大洲市(おおずし)は、愛媛県の南予地方に位置する市。「伊予の小京都」と呼ばれる。肱川の流域にある大洲城を中心に発展した旧城下町である。

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あの頃

食べ物

大洲の旅館で、気持ちの大きくなった寅さんが、隣の部屋の鞠子に、名物の「鮎」の塩焼きをごちそうし、お土産に佃煮を持たせる。その散財で、寅さんは手元不如意となってしまう。鮎は古来から親しまれて来た川魚で、一説によると、日本書紀で神功皇后が今後を占うために釣りをして、釣れたのがアユで、占魚と字を当てられたという説もある。

モノ

五百円札の入った財布

寅さんのふところはいつも「旅先」。五百円札のみということが多い。今回も大洲の宿で散財したために、最後に残ったのが五百円札。1951年4月2日に五百円札(B号券)が発行され、長らく使用された。表面には明治の元勲・岩倉具視の肖像画、裏面には富士山が描かれている。1969年11月1日には、贋札予防のために、より精緻な印刷のC号券が発行された。見た目はほとんど変わらないが、サイズは少し小さくなった。1982年に五百円硬貨が発行されてからも、85年までは製造されていた。

ファッション

山高帽

殿様がとらやを訪ねて来た時のスタイルは、蝶ネクタイに山高帽。ダンディに決めているのに、おばちゃんは「手品師」のよう、と手厳しい。山高帽はイギリス発祥の帽子で、素材は固く加工したフェルトで、半球型の山の部分と、巻き上がったつばが特徴。1850年に、トーマス・コーク氏のためにイギリスで作られたのが最初。日本に輸入されたのは慶応年間。普及したのは、文明開化の明治に入ってからのこと。喜劇王チャーリー・チャップリンのトレードマークともなり、おばちゃんのイメージする「手品師」のイメージの源泉は、戦前の芸人によってつけられたものと思われる。

主な出来事

7月1日
領海法施行、日本の領海を海岸より12海里と定める。
7月13日
ニューヨーク大停電、ニューヨークで落雷が原因の停電が起こり、復旧までの3日間に900万人が影響を受けた。
7月14日
日本初の静止気象衛星「ひまわり1号」打ち上げ。
8月7日
有珠山が噴火活動を開始。
8月20日
第59回全国高校野球選手権大会は兵庫・東洋大姫路高校が春夏甲子園大会を通じ史上初の決勝戦サヨナラ本塁打で初優勝。

データ

封切り日
昭和52年8月6日
観客動員数
1,402,000人
入場料
1,300円
上映時間
99分
併映作品
『坊ちゃん』
監督:前田陽一 出演:中村雅俊、松坂慶子、地井武男、米倉斉加年、岡本信人
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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