男はつらいよ

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男はつらいよ 寅次郎恋歌
スタッフ

第8作 (昭和46年12月 公開)
男はつらいよ 寅次郎恋歌

「ハハキトク」の報を受け、備中高梁へと向かった博とさくらは、葬儀にやってきた旅先の寅さんとバッタリ再会。博と父・飃一郎の関係はギクシャクしているが、寅さんは飃一郎と意気投合して高梁に残る。そこで「本当の人の暮らし」についての説教を受け、反省の気持ちと共に柴又へ。同じ頃、門前では、六波羅貴子(池内淳子)が喫茶店「ローク」を開店。女手一つで、小学生の息子を育てる貴子に、寅さんの想いは募るばかり・・・
 シリーズ好調のなか、洋画専門劇場・丸の内ピカデリーでロードショー公開された。旅役者の坂東鶴八郎(吉田義夫)とその娘・大空小百合(岡本茉莉)の交流は、本作より始まった。名優・志村喬演じる飃一郎が、寅さんに語る「庭先に咲いたりんどうの花」のエピソード。旅人である寅さんと、定住者である貴子の束の間のひとととき。丁寧な山田演出が堪能できる。森川信のおいちゃんは本作が最後となった。

六波羅貴子

六波羅貴子

ああ、いいなァ、旅って、
私も今すぐにでも
行っちゃいたいわ、
こんなお店も何もかもみ
んな捨てちゃって、
ね、寅さん

マドンナ

六波羅貴子

六波羅貴子(池内淳子)

題経寺のほど近くに開店した喫茶店「ローク」の経営者。小学三年生の一人息子・学を育てながら店を切り盛りしている。寅さんは内気な学の遊び相手になり、貴子の抱えている問題を解決したいと願うが・・・

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六波羅貴子 第8作 池内淳子

1960年代から70年代にかけてテレビドラマのヒロインとして活躍。映画デビューは1950年代。東宝の「駅前」シリーズや、TBSの日曜劇場「女と味噌汁」で人気を博す。加藤泰監督の『沓掛時次郎 遊侠一匹』(66年)で、渥美清と同一場面はないが共演をしている。

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ゲスト

座長

座長(吉田義夫)

お陰さまでこのとおり巡業を続けさせていただいております。

とある漁師町で寅が出会った旅役者一座の座長。寅を先生と慕い、寅も一座のパトロン気取りになって、失敗することも。娘は一座の花形女優・大空小百合(岡本茉莉)。

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座長 第8作 吉田義夫

画家志望で京都市立芸術大学の前身にあたる、絵画専門学校で日本画を学ぶ。兵役を経て、舞台俳優となり、1952年から東映京都の時代劇で、悪代官役などを好演。悪役バイプレイヤーとして時代劇で活躍。『男はつらいよ』シリーズでは、座長役だけでなく、寅の夢のシーンで“悪代官”イメージを活かした役柄を好演。

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大空小百合

大空小百合(岡本茉莉)

はい、フーテン寅先生ですね

坂東鶴八郎一座の花形スター。父である座長の厳しい指導のもと、テレビに出られるような役者を目指して日々精進している。巡業先で、しばしば寅さんに出会う。第37作『幸福の青い鳥』では、志穂美悦子が演じるマドンナとなった。

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大空小百合 第8作 岡本茉莉

1970年「昆虫物語 みなしごハッチ」(フジ)で声優デビュー。「いなかっぺ大将」(70年フジ)のキクちゃん、「ヤッターマン」のアイちゃんなどで、子供達の支持を受ける。『男はつらいよ』では、大空小百合役のほか、さまざまなキャラクターを演じ、山田洋次作品では『同胞』(75年)、『幸福の黄色ハンカチ』(77年)などにも出演。アニメ版「寅次郎忘れな草」(98年)では、さくらの声を演じた。

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諏訪飈一郎

諏訪飈一郎(志村喬)

人間は人間の運命に逆らっちゃいかん。こに早く気がつかないと不幸な一生を送ることになる。分かるね、寅次郎君、分かるね・・・

博の父。元北海道大学名誉教授。研究一筋の仕事人間の父に、博は反発し家出。再会したのは8年後、博の結婚式だった。第8作『寅次郎恋歌』で寅さんに“家庭の大切さ”、第22作『噂の寅次郎』では “人生のはかなさ”を教える。

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諏訪飈一郎 第1・8・22作 志村喬

黒澤明監督の『生きる』や『七人の侍』など、日本映画を代表する名優。山田監督は『ゴジラ』の本多猪四郎監督の『男ありて』のイメージで、博の父を創出し、キャスティングしたという。

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男はつらいよ 寅次郎恋歌

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

寅「大丈夫だよ・・・オレだって、
他人(ひと)の奥さんに懸想するほどバカじゃねえよ
今だってよ、もう一人のオレによおく言いきかせたんだよ」
さくら「で、もう一人のお兄ちゃん、ちゃんと納得したの」
寅「やっとな」
さくら「そう、よかったね」

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    一度はおにいちゃんと交代してあたしのことを、心配させてやりたいわ。寒い冬の夜こたつに入りながら、『ああ、今ごろさくらはどうしてるかなぁ』って、そう心配させてやりたいわよ
  • 車竜造
    車竜造
    あー、いやだいやだ。オレはもう、横になるよ。おい、まくら、さくら取って、いや、さくら、まくらとってくれ、あぁ・・・
  • 車つね
    車つね
    ちょっと悪いけどね、親子で晩御飯食べてるだけのことで何でそんなに感心するんだい?
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    よっ、寅さんお帰り、どうだい、会ったかい?あの人に
  • 諏訪博
    諏訪博
    言ってみれば、人間には人間の定められた生活があるということじゃないですか
夢

本作品にはなし

騒動

騒動

泥酔騒動

酔って昔の仲間をとらやに連れ帰り、さくらに酌をしろ、歌を歌えとせまるが、さくらの涙に我に返る。

あにいもうと

あに
いもうと

いつも旅をし、恋をして、さくらに心配をかけている寅さん。さくらは、兄の気ままな暮らしを羨ましいといい、自分がしているような心配をさせたいと、寅さんに話す。

人々

人々

  • 坂東鶴八郎一座、座長/吉田義夫
  • 一座の花形・大空小百合/岡本茉莉(座長の娘)
  • 博の兄・毅/梅野泰靖、修/穂積隆信
  • 博の父・諏訪飃一郎/志村喬
  • 六波羅貴子/池内淳子、六波羅学/中沢祐喜(息子。小学3年生)

寅さんの
啖呵売

啖呵売

国の始まりが大和の国、島の始まりが淡路島、泥棒の始まりが石川の五右衛門なら、助平の始まりが小平の義雄、ね、続いた数字が二、仁吉が通る東海道、憎まれ小僧が世に憚る。仁木の弾正はお芝居の上での憎まれ役。ね、お父さん、これ買ってよ、ダメ? ケチ、三、三、六歩で引け目がない。産で死んだが三島のおせん。おせんばかりがおなごじゃないよ。(葛飾区・国鉄金町駅前・古本)

売ネタ

  • さくら「かあさんの歌」
  • 寅さん「七つの子」
  • 寅さん「タンタンたぬき」
  • 寅さん「誰か故郷を想わざる」
  • 学たち「チンガラホケキョーの歌」

ロケーション

  • 静岡県 下田市/雨のなか、坂東鶴八郎一座(磯野漁協会館)を訪ねる。
  • 静岡県 下田市/松崎屋まで、小百合が寅さんを見送る。
  • 岡山県 高梁市 備中高梁駅/博とさくら、降り立つ。
  • 岡山県 高梁市/博の実家。博の母の葬儀に寅さんも参列。
  • 山梨県 八ヶ岳の見える田舎道を寅さんが歩いていると、坂東鶴八郎一座とばったり再会。
備中高梁

岡山県 備中高梁

日本地図
岡山県 備中高梁

備中高梁 基本情報

高梁市(たかはしし)は岡山県にある市である。県中西部に位置し、広島県と境を接する。岡山県中西部に位置し、市域の大半が吉備高原上の丘陵地からなる中山間地域である。平成の大合併により広島県と接するようになるなど大幅に市域が広がったが、岡山市や倉敷市のように旧国を跨いでの合併は無かったため、全域が総社市と同じ旧備中国に属している。

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第8作
岡山県 備中高梁

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近隣のロケ地
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あの頃

食べ物

コーヒー

帝釈天脇に開店した喫茶店ローク。実は、第五作『望郷篇』の頃にすでに存在しており、第三十一作『旅と女と寅次郎』まで、画面に映っている。さて、寅さんは「コーシー飲もう」という割にはコーヒーは、あまり好きではなないようだ。第十六作『葛飾立志篇』では、柴又駅前の喫茶店で、マドンナ礼子(樫山文枝)と出会っている。

モノ

トラック

寅さんが旅先で出会う、坂東鶴八郎一座。彼らの移動はいつもトラック。ごくわずかの座員たちと、行李に入った荷物で全国を巡業している。寅さんはしばしば、このトラックの荷台に乗せてもらって、一座の逗留先まで旅をすることがある。

ファッション

着物

マドンナ貴子は和装のイメージが強い女優・池内淳子が演じており、本作でも衣裳は着物を通している。一方のさくらは、いつもブラウスかセーター、出かける時もワンピースで、着物姿は正月の場面ぐらい。そのさくらが、珍しく着物を着ていたので、寅さんは・・・

主な出来事

12月2日
アラブ首長国連邦、七首長国により建国
12月3日
第三次印パ戦争。翌日インド、東パキスタンに侵攻。
12月16日
東パキスタン内のパキスタン軍降伏。第三次印パ戦争実質的に終結。
12月16日
札幌市営地下鉄南北線の北24条駅?真駒内駅間が開業。
12月23日
日本の映画会社大映倒産。
12月31日
イギリス軍、マルタ島の基地を撤廃

データ

封切り日
昭和46年12月29日
観客動員数
1,481,000人
入場料
600円
上映時間
113分
受賞歴
併映作品
『春だドリフだ 全員集合!!』
監督:渡辺祐介 出演:ザ・ドリフターズ、進藤恵美、長山藍子、柳家小さん、三遊亭円生
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 佐藤公信

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第8作 男はつらいよ 寅次郎恋歌